第13話 World jungle fevers

山道を少し登るとやがてアメリカンな看板が現れた。

看板の文字を見て驚いた。


feel the universe


爺さんもしかして、、、


爺さんはニコッとした。


ゆっくりと回る看板の裏手には小さな庵が佇み、野菜が実った畑の横には綺麗な沢が流れていた。


「どうじゃ、中々ジャングルじゃろ」


僕は不思議な景色に感動した。


庵に通されると茶を点ててくれた。

歪な形にヘンテコな絵付け、僕の大好きな織部おりべだ!

「お点前頂戴致します」


お茶を飲み干すと庵の中を案内してくれた。

小さく見えた庵は中は結構広くて驚いた。


爺さんの部屋には大戦モデルのジーンズが飾らせていてかっこいい洋服がたくさんあった。

「中もジャングルじゃろ」

爺さんはそう言いながら茶釜ちゃがまをどかし、炭をあらためイワナを焼いてくれた。


「青年!今日泊まってくか?」


あまりの居心地の良さに

「お言葉に甘えて!」

何より爺さんをもっと知りたかった。


「一献どうじゃ」


「いただきます」


僕が頭を下げると足早に台所に向かい大きなワインセラーからボトルを取り出した。


糸のように注がれていく白ワイン。


2人でグラスを上げる。

ほどよく冷やされたリースリングに最高の気分を味わう事ができた。


その時だった。


「こんばんはー」

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