神が輝くこの世界、僕は君と堕ちていく

ユミナ

第1話 プロローグ

 その昔、人と人ならざるものが別の世界で暮らしていた時代があった。


 しかし、ある時にとある二柱の神が争いを始めた。


 その争いは凄まじく、神々が暮らしていた世界が崩壊するほどであった。


 他の神々はその争いに巻き込まれることを恐れ、己の力の一部を犠牲に人々が暮らす世界へと降りる方法を編み出し、神々の世界を捨て、人々の世界で暮らすようになった。


 その様子を見ていた悪魔達は、神々の方法を真似て人々の世界へと顕現し始めた。


 しかし、これをよく思わなかったのが神々である。自らは元の世界が壊れ、仕方なく降りてきたのに対し、悪魔達は嬉々として人々の世界へ顕現し、イタズラや、揉め事、疫病を流行らせ、人々を混乱へと導いたからである。


 次第に人々と悪魔達の対立は深まり、不満の溜まったある一国が悪魔へと戦争を挑んだのを皮切りに人々と悪魔達の全面戦争、人魔戦争が始まった。


 だが、剣や槍、大砲を使う人々の攻撃は上位の悪魔達には、ほとんど効果はなく、悪魔達の使う魔法に人々の被害は増していくばかりである。


 困った人々は神々へと助けを求め、悪魔達をよく思わぬ神々は、人々へと祝福を与え、悪魔の世界から来たものを次々に退けていき、ついに人と神の勝利で人魔戦争は終結した。


 しかし、この戦争の影響で人の世界と悪魔の世界が混在し、魔物が現れるようになった。


 このことを重く見た神々は「我々が悪魔達が来る原因にもなったのではないか」というある神の一声で人々と共に生きる共存関係を築いたのである。


 これが神人歴の始まりである。



〜記神アデムの手記〜

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