みせもの屋
雷麦
非検体 A-0001
「はぁ、また失敗か」
俺はひとつ大きなため息をつく。
また仕事でミスをしてしまった。
俺は何にも考えられなくなり、習慣のごとく帰路につく。と、その途中いつもと違う道にいることに気づく。俺は引き返そうと思ったが、建物を見つける。その建物はとてもボロボロだったが、謎の魅力があり、ついついみいってしまう。と、 みせ の2文字を見つける。俺は少し迷い、
「どうせ家に帰っても何もしないしな……」
という言い訳を自分にいい聞かせ正当化し、
自分の行きたいという興味のまま店に入る。
入ると、紫色の光が目に入る。と、その瞬間視界が真っ暗になり、気づけば、布団の上で、家には日が差していた。
あれは夢だったのかと思い、俺はいつも通り食事をする。朝飯は、時間がなかったので、プロテインにした。
と、プロテインを飲んでいた時、急に耳に痛みが走った。反射的に耳を触ると、何か耳についている。俺はふと昨日のことを考え、
何もなくあってくれ、と願い、鏡で耳を見に行く。鏡を見ると、そこには何もなく、俺はかなり安心した。
しかし、痛いものは痛いので、会社を休もうと思ったが、流石に耳の痛みで会社は休めないと、いつも通り会社へと向かう。
会社へ行く途中、赤信号で止まる。俺は何気にこの時間が憂鬱である。無理なものとは思いつつも、俺が通るときは信号機が青であってくれ…と願った。すると、驚くことにこの信号から、会社に着くまで、一度も止まらなかった。
俺はとても気分が良かったのと、今の俺には願いを叶える力があるかもしれないと思った。
そして仕事中、俺は山のように回ってきた仕事を誰かやってくれと、願った。すると、嘘のように仕事をいろんな人がしてくれて、俺はなんと8時間で仕事が終わった。こんなことは久しぶりだなと、感動しつつ、帰る準備をしていると、
「……2………」
と聞こえてきた。周りには誰もいないから、気のせいだろう。
家に帰り、飯を食べる。そして、今日のことを思い出す。
帰っていたときである。とても気分がよかったので、コンビニで色々と自分にご褒美を買おうと思い、沢山の飯をもってレジに行ったのだ。
が、カバンを開けた時に自分のミスに気づいた。財布を無くしたのだ。昼飯を買った時はあったから、会社だろう。面倒くさいなと思いつつ、飯を戻そうと思ったが、ここが逆にチャンスだと考えた。俺は『これらを無料で手に入れたい」と願うと、なんと色々あり、無料で手に入ってしまったのだ。
流石にこれには驚いた。そしてそのとき、「……1……」
と聞こえた。次は0だろうか。まあ、正直そんなのはどうでもいい。俺は夜までYouTubeを見て過ごした。そして、ふと考えた。この今俺が持っている力がなんなのか知りたいなぁと。
その時である。「……0」と聞こえ、
耳に朝とは比にならない激痛が走る。俺は驚き、声も出なかった。と、何かがでてきて、
「ナンデモカナウジカンハドウダツタ?
シカシココデオワリダ
サテ、サイゴノネガイノコタエダガ、
オマエノチカラハセイヤクツキノマホウ
ノチカラダ。ナンデモカナウガ、カウン
トガ0ニナルトキサマハシヌ。ソシテコノ
ネガイデゼロダ」
とカタコトの言葉を発する。と同時に死ぬほどの激痛が走った。
その激痛は耳から、体へと伝わっていき、10秒後には全身に伝わっていた。
激痛で叫び続けて、俺は思わず、
「痛い!最初に戻せ!」
と叫んだ。
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「はぁ、また失敗か」
俺はひとつ大きなため息をつく。
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