僥倖、黄昏に叫び
時津彼方
0.プロローグ
「いらっしゃいませ」
店の中にはエプロンをかけた男が一人。その他には珈琲の鼻の奥に残る匂いがどっしりと座っていた。私は隅のカウンター席に座って、珈琲を注文する。
「どうぞ」
私はそれを受け取り、コインを数枚置いた。一口飲んで、珈琲の息を吐く。
「今日は外が騒がしいですね」
その言葉のすぐ後に、入ってきたドアを通じて歓声が聞こえた。私はまた一口飲む。
「では、始めましょうか」
エプロンを外した男が、隣のカウンター席に座った。私は分厚い本と、ルーズリーフとペンを取り出す。少し砂糖を加えた珈琲をまた一口。
今日もここで学ぶ。夜の冷ややかな風が私のチャイムだ。
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