彼女の秘密?
お風呂から上がってスマホを確認すると、連絡が来ていた。
「住所は東京都港区虎ノ門1丁目33-13で2005号室。
時間は9時以降でお願い。着いたら下まで迎えに行くから着きそうになったら教えてね。」
みみみ、港区だと。
そんなキラキラした名前、久しぶりに聞いたぞ。
しかも、虎ノ門なんてそうそう聞かないぞ。
虎ノ門ヒルズとかはお金持ちの住んでる所として有名芸能人の家が紹介されるのをテレビで見たから名前は知っている。
彼女は何者なんだ。
虎ノ門なんて普通に住める場所じゃないだろ。
ましてや20階なんて。
僕の家なんて横浜と名前は付いているが海すらない田舎のマンションの4階だぞ。
港区なんて行くこともないわ。
完全に別世界だ。
今何を考えても変わらないし一旦忘れて別の事をしよう。
とりあえずスマホを弄ろう。
スマホを開いても特にやる事もない。
まあスマホ依存症みたいなものだ。
特に目的もないがスマホをいじっていれば時間をつぶすことができる。
とりあえずTwitterを一通り見ていいねをしたが直ぐに飽きた。
YouTubeでも見るか。
そういえば最近は見てないけど、昔はよく大手Vtuberグループを追っていたなぁ、懐かしい。
自分の推しは他の人の推しで、好き好き言われてるのが嫌で見るのを辞めてしまった。
そんな事を気にする方が悪いのも、そんなの当たり前だろそれが嫌なら最初から見るなよ。
そう言われたら確かにその通りなのだが、やっぱり辛いものは辛い。
だから見なくなった、ただそれだけだ。
最近はお手軽にできる配信アプリをやったり、そこで知り合った仲間内で話したりして楽しんでいた。
人気配信者とはいかないがなんだかんだで楽しい。
でもたまに久しぶりに元推しのことを見たくもなる。
Twitterではグループの新メンバーの話も話題になっている。
とりあえず新メンバーの切り抜きでも軽く見てみるか。
昔よくお世話になっていた切り抜き師さんも動画をあげているだろうからそれを見よう。
切り抜きは長時間の配信をダイジェストで見れる。
その上ライバーの魅力を短く簡潔に伝えることもできる。
まあ全くデメリットが無いわけではないのだが。
とりあえずグループ名と新人で検索してみた。
お、コラボしてるやん。
ちょうど配信してるとは運がいい。
配信を開くと元気な女の子の声が聞こえてくる。
人気グループの新メンバーなだけあって、みんな声がとても可愛い。
その中の一人の声がとても気になる。
別に嫌いとかそう言うわけではない。
ただどこかで聞いたことのあるようなないような声。
しばらく聞いてもやっぱりどこかで聞いた事ある声だった。
やっぱり一旦気になったら配信を聞いていられない。
とりあえず情報を集めてみよう。
どうやらこのチャンネルは他のメンバーの子のらしい。
まずは概要欄からその子の配信に飛んでちゃんとした声を聞いてみよう。
ゲームだと声があまりわからなかったりするから、雑談配信を見てみる事した。
歌が上手いのか歌枠もよくやっているようだ。
歌枠は後で見るとして雑談枠をみよう。
「みんな〜元気してた?」
再生をするとやはりどこかで聞いた事があるような声が、元気に挨拶をしていた。
聞けば聞くほどやっぱりどこかで、聞いた事のある声だ。
Vtuberにだけ言えることではないがネットには声を作っている人も普通にいる。
僕は別に声を作るのは全然良いと思ってる派だ。
だが声を作ると声が似たりもする。
だからどこかで聞いた事のある声なのかも知れない。
こんな時は地声を検索すると、出てくる時もある。
普段はあまり見ないが、今回は気になるので一応検索してみよう。
検索してみると切り抜き動画上がっていた。
「地声?深夜のオフコラボ時のいつもよりちょっと低い声(切り抜き)」
いつもはなんか気が引けて見れないが、今回は事が事なので普通に見ることができた。
再生してみると、彼女の声に似たような声の女の子が僕の元推しと喋っていた。
まさかね。
たまたま声が似ているだけだろう。
彼女と声が似ているならあえて推すのもアリかもしれない。
とりあえずさっきの配信に戻ってコラボを見て時間を潰そう。
まだまだ時間はあるしね。
配信を見ていたら気がつくともう8時だった。
想像していた以上に面白い。
だが約束の時間が迫っているので後でアーカイブを見ることにしよう。
荷物を取ってスマホもちゃんと持った。
しっかり窓も閉めて電気も消して忘れ物も確認した。
これで完璧だ。
今から行けば大体9時に着くだろう。
初めての彼女の家はとても楽しみだ。
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