【episode1 - 鏡の中】
その日、私はある男性と肌を重ねるため車の助手席にいた。
一年ほど前に購入したというブルーボディーの車内は快適である。
他愛無い話をしながら目的地に到着すると素早く個室に入った。
ご時世的に、手洗いうがいは必須である。少々ムードには欠けるが、連れ立って洗面所に向かう。
洗浄を終えると鏡の前で視線が合った。
抗えない吸引力に、気がつけば互いを強く抱き締めていた。
彼の背中に腕を這わせると自然に唇が触れる。
夢中で求め合う私たちの姿が次第に乱れていく。
「なんか…たまんないな。」
鏡の中の自分たちと目が合った彼が呟く。
情熱的に舌を絡ませるキスの心地良さに、私たちは立ち尽くしたまま幾度も互いの唾液を感じた。
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