第3章 約束の場所

 楽しみすぎて全然眠れなかった。体が弱いせいか小学生の頃からは遠出することはなかった。楽しみな分心配な面もある。遊園地で倒れたらどうしよう。迷惑かけたらどうしよう。朝からそんなことを考えていた。

 鞄を取り出し、財布や携帯と言った必要不可欠なものを先に入れ、そのあと念のため薬を入れておいた。服はこの間ももと一緒に買った服を着ていくことにした。

 フューチャーフォレストは家からバスで20分ほどで着く。バスの中ではアトラクションのことばかり考えていた。小学生以来の来訪だからすごくウキウキしていた。バスが着いたのは集合の10分前ぐらいだった。私の次に来たのがももでその次が健斗君だった。集合時間から20分遅れで賢介君が来た。昔から遅刻ばっかりだったから今日も期待はしていなかったが、ここまで遅れてくるとは思わなかった。

 みんなでチケットを買って笑顔溢れるキャストさんの前を通り過ぎた。目の前に広がる世界はまさに夢の国だった。入ったらすぐ目の前に色とりどりの噴水が出向いてくれる。まるで噴水ショーのようにあっちこっちから水が吹き出ている。

 早速乗りたいアトラクションが何かを聞いてみた。最初の方はみんな緊張していて気まずい雰囲気だったけど気がついたらみんなすごく仲良くなっていて終始楽しい時間が流れていった。ジェットコースターから電車、船まで様々な乗り物に乗った。ポップコーンやチュロスも食べてすっごく楽しかった。こんなに笑ったのは何年ぶりだろうか。

 すっかりあたりも暗くなり入り口の前にある噴水は朝よりもくっきりと光っており神秘的な世界がそこには広がっていた。無意識に私の手は彼の方に伸びていた。慌てて手を戻した。


「すごく慌ててたみたいだけど大丈夫?」


彼には全てお見通しだったようだ。


「うんん、なんでもない」


私はそう答えるしかなかった。

 

 その時、彼は急に私の手を握って私の耳元でこう呟いた。


「美月のことが好きだ。」


急な告白で私の頭の中が真っ白になった。


「実は文化祭委員になってからずっと美月の働きっぷりをみてずっといいなって思ってて、今すぐ返事をしろとは言わないから。」


 私の頭の中はまだ真っ白だった。こんな経験をしたこともないし、そもそも委員会以外では全く話したことのない人から急に告白されてどうしようなど時間が経つにつれ色々なことが頭をよぎってきた。


「美月!そろそろかえろ!」


そのももの言葉で私はやっと我にかえった。


 そのまま解散となり楽しい1日も終了した。

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