ひょん?なことから彼氏ができた
わたしは、なかなかの大手でECサイト系の営業だったけど、営業成績悪くて運用保守係の小さな部署に異動なって、無口なオタク系男社員のなか、スーツ出勤して、ジャージに着替えてスリッパに履き替えてお菓子ダラダラ食う干物化しつつある
会社員 25歳
そんなわたしには彼氏がいる。営業で同じだった
―――あれは半年前、異動になったわたしの送別会があった日。
花形の営業に居られず悲しくって酒を浴びるように飲んだわたしに、最後まで送別会の店で付き合ってくれたのが彼だけだった。
「飲みすぎだろ〜美姫ちゃん。食べすぎだろ〜美姫ちゃん」
「だってぇ〜腹立つんだもぉんっ フガッ 腹立つー。なんでオタク部署ー。やだやだやだやだっ」
「子供かよっ。帰るぞ!」
彼は酔っぱらいのわたしと肩を組んで歩いた。
あっちヘフラフラ~ こっちへフラフラ~
「美姫!ちゃんと歩け 重いわッ」
「ぐふぇッ すんませんっ」
ピーン ポーン ピーン ポーン ピーン―――――
本日の運行は終了致しました。始発時刻 5:06 上り―――
「ありゃ? 拓馬さん? あれはなんと出てるぅ?」
「終電終わった。美姫ちゃん......終電終わったよ....」
「.......泊めて!」
「はあ?」
「拓馬さんち 近いでしょーッ何もしないから!?いたしませんから!」
「しゃーないなっ」
酔がさめることなく、ふっらふらで辿り着いた彼のワンルームマンション。イケメンならではの綺麗でシンプルな部屋っ。玄関開けたら2秒でベッドなくらい狭かったけど。
「水飲め!水!」
「あ゛ ぅ う゛」
「わぁ!吐くなよ!吐くなよ絶対ッにっ!」
「ごくんッ ンア.....」
「え......飲んだ?」
「......飲んだ.....水ちょーだいっ」
「はいはいどうぞ」
「歯磨き使えよ 来客用の出したぞ」
「はぁ ありがとうございます......。」
わたしは酔がさめたらすっかりテンション下がった。
歯磨きして顔面水でばっしゃばっしゃ洗った。
あっマスカラ伸び落ちて恐怖のパンダみたい、ひじきみたい......まいっか。
あら、マジですか?? もう拓馬さんご就寝に?!
ソファは.......無いね。ぽつんと黒いつるつるシーツのシングルベッドだけ。
そこで眠るハンサムガイ拓馬.....。
ベッドに入っちゃいかんいかんっ。わたしが襲う自信ありますんで。
いたしかたないっ。床で.....。
わたしは床にゴロンした。いたッ フローリング固ッ。
あっ、でも寝れそ。
「美姫ちゃん 美姫ちゃん!」
え なぜに呼ぶ?トイレか?わたし邪魔かここ......。
「おいで 美姫ちゃん」
おいで? おおおおお、おいで・・・?
振り向けば上半身ちょいと起こして、布団の角をちょいと持ち上げた拓馬さんがこっちみてるではありませんか!?
いやさすがにマズイ........。
「いーよっ。眠れそうだったし今」
「駄目だ床は、おいで」
ではお言葉に甘えて......お邪魔しますッ。
断る理由はないっ。イケメンが呼んでいる。
わたしは、入ったイケメンの園へ。
「酔 さめた?」
「あ、 う ん たぶん」
「フッ」
なんだよっこの優しいぬくもり。この世にこんな世界があったのか。
「近くで見たら可愛いじゃん」
??わたしには無縁な単語、可愛い。
可愛いは作れない!わたしには。
そりゃブッサイクっじゃないけど。美人じゃない。モテたこともない。鼻ぺちゃ目は二重だけど、小学校のあだ名はヒラメちゃんだった。
ただーしっ!体はグラマーよ。
「え?ちょちょっと 拓馬さんっ!?」
あれよあれよと、なかなかたわわなおっぱいは乱暴に掴まれたっ。
「チューするよ」
イケメン拓馬のキスは.....最高だった....
わたしはもうメロメロ
襲ったんじゃない、襲われたんだ。これは、わたしの誇り高き人生の一ページとなった。
―――――翌朝
「おはよっ美姫」
「おはようございます」
なに 無かったことにしてくださいって言わないのか?このメンズはノット遊び人か?イケメンなのに......。
「責任とる!美姫 付き合え」
マジですか!?マジですか。
「えっそんな無理しなくても」
「はっ?俺を断るのか」
「いいえ 滅相もございませんっ」
こうして、ひょんなことからイケメン彼氏ができた。ひょん?でもない。
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