ep9 デート?<4>

結局、アリイちゃんは萌え袖になりそうな大きめの服を選んで買った。もちろん、オレも不本意ながら、フリルの入った服を買った。


「あっ!! そうだ」

「どうしました?」

「いや、確か、この辺って動物園なかった? もし、アリイちゃんが良かったら行こうよ!!」

「蒼空先輩!! ナイスアイデア!! ……? 待ってください、それってつまり、これは……デートになるんじゃないんですか?」

「いや、オレに下心というか、恋心はないけど、世間一般的に考えると、そうな……る」


確かに、男女が2人で動物園ってデートだ。そう考えると恥ずかしくなった。


「まぁ、デートでもいいや、動物園行きましょ!!」


購入した服を鞄に直して、「さんくゆー」を出た。そのまま動物園へと向かった。動物園へは徒歩で10分も掛からなかった。なんだよ、市内。十分都会じゃないか。さんくゆーもあれば。動物園もあるって。


「なぁ、アリイちゃん、なんでここが田舎なんだ? 商業施設もあれば、動物園もある。十分都会だろ」

「その全部あるのが、田舎なんですよ〜」


動物園に着いて、チケットを買った。オレはカピバラのイラストが描いたチケットで、アリイちゃんはゴリラのイラストだった。


「スタッフー!! それは逆ですよ!!」

「ん? チケット交換する? どうせ、家帰ったら、`togetherに「動物園行ってきた」って呟くために写真撮るくらいだし」

「それは嫌です!! このチケットに出会えたのも運命ですから」


なんと言うのか、アリイちゃんって妙なところでロマンチストだよなぁ。 そう言うつもりだったが、またなんか怒られそうだから辞めておいた。


レッサーパンダやマレーグマのクマ系統が思ったよりも可愛くて2人でじっと見ていた。


アリイちゃんと動物園を楽しんだ。帰り道についた。


今度は快速ではなくて、鈍行に乗って市内を後にした。帰りの電車でアリイちゃんはぐっすり寝ていた。

女の子の寝顔をマジマジと見つめて、初めて思ったのだが、アリイちゃんってかなり可愛い部類に入るのでは??

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