神谷さや

なんか私、理性的って言い換えれば響きは良いけど、空気読まずに欠点や短所を指摘する嫌われ役だし、露骨に京香に避けられて損ばかりじゃん。

 あーあ、どうしてこんな役割を押し付けられちゃったのか。

これも完全に愚痴になっちゃうけどさ、朋やレディにもっとフォローして欲しかったなぁ。

 あっ、一つ役得があったわ。

 京香と一対一でお話できたこと。

目が合うとぷるっと震えてさ。子犬だった時の花子だってもう少し堂々としてたのに。

 長い間、波間を漂って色が抜けたお世辞にも綺麗と言えない私達を拾ってくたんだよ?

誰にも言えない悩みを聴いて塞ぎ込むのを見ているだけだったの。悔しかったなぁ。

 この世界はね、京香が私達に話してくれた「こんな夢みたいな世界があったらいいな」を元に構築されているの。 

私は誰かって?

 神谷さやはね、仮定として今村京香が極端に理性に傾いていたらの姿だったの。

因みに早々に体調不良で退場した朋の代役も務めていたけど、気がついた?いきなり不思議ちゃんになっていたし分かりやすかったって思うけど。

 というわけで、走馬世界ヒノコムで神谷さやを演じていたのは、京香の理性を司っていた私、レンでした。

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