第2話 お尻ペンペンな事



 ペンギンは歌が得意です。

 他のペンギンはそれほど歌が得意ではありませんし、好きで歌を歌うことはあまりありません。


 けれど、そのペンギンはよく一匹で歌を歌っていました。


 だから歌が得意になったのです。


 そのため、そのペンギンは自慢の歌を貴族令嬢にプレゼント。


 澄んだ歌が豪華で大きな巣の中に広がります。


 試みは大成功。


 貴族令嬢はちょっぴり元気を出してくれるようになりました。


 この歌は使える。


 そう思ったペンギンは、他にも貴族令嬢のためにできることを探します。


 その結果、外に出たペンギンは貴族令嬢を傷つけたオスを見つけ出しました。


 そこで自慢の歌を使って、オスがこそこそできないようにします。


 ペンギンはオスにまとわりついて、何度も歌いました。


 すると、こそこそする事ができなくなったオスは、せいふくというカチカチした服のオスに捕まってしまいました。






 ペンギンは木の実を探し出すのが得意です。


 だから、貴族令嬢のために、人間のメスでも食べれる木の実を探しました。


 ペンギンの村では食料が手に入らなかったため、自分で探している間に見つけるのがうまくなったのです。


 あちこち探した結果、美味しい木の実を見つけたので、さっそく貴族令嬢にプレゼント。


 すると、貴族令嬢はますます元気になりました。


 その後、外に出たペンギンは、わいろという何かを使って牢屋からでてきたオスを発見。何度も木の実をぶつけて、嫌がらせをします。


 その木の実は貴族令嬢にあげたものとは違います。とっても臭くて、鼻が曲がりそうな匂いがする木の実です。なので、オスはとてもまいったようでした。


 ついでにその近くにいた人間のメスもまいっています。


 オスが会っていた知らない貴族令嬢も、鼻をつまんでオスと一緒に逃げ出してしまいました。





 ペンギンは、くちばしで彫刻をするのが得意です。


 もっと貴族令嬢の明るくなってほしいと思って、彫刻を頑張る事にしました。


 ペンギン村では、生活用品を売ってもらえなかったり、作ってもらえなかったりする事が多かったので、自然にうまくなっていったのです。


 だから、ちょうどいい材木を探して、彫刻。


 くちばしで削って、形を綺麗にしたものを貴族令嬢に渡しました。


 人間のメスに人気なハートの形や、お星さまの形のものです。


 すると、貴族令嬢は大喜び。とても明るくなっていきました。


 そこでひらめいたペンギンは、また外に出ます。


 人間のオスがいつも通る道を見付けて、老朽化した木をくちばしでつつき、オスの上から落下させることにしました。


 木の下敷きになったオスは、知らない貴族令嬢に出会いに行く事ができなくなり、とても嘆いてイライラしてました。


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