第14話 買い物

 クレア(モンスターハンター)は私の体を優しくいた。常時、唾液をダラダラ流していたが。


「クーちゃん! クーちゃん!」


「なんだ?」


「買い物に行こうよ!」


「買い物?」


「うん! ほら、いつまでもローブ着てたら動きにくいでしょ? それにクーちゃんはかわいいから、かわいい服を着たらもっとかわいくなると思うの! だから、ね?」


 前者は建前で後者が本音だな。

 まったく、分かりやすい女だな。


「必要ない……と言ってもお前は私が買い物に行くと言うまでねばるのだろう?」


「うん!」


 満面の笑みで答えるな。

 本当は魔法使いを探しに行きたいが、人の技術力がどれほどのものなのかこの目で見ておきたいのも事実。こいつといつまで一緒にいられるか分からない以上、少しでも多くのことを知っておいた方がいいだろう。


「はぁ……分かった。では、買い物に行こう」


「本当? 嘘じゃない?」


「私は必要ない時に嘘はつかない。ほら、行くぞ」


「あっ、うん、分かった!」


 こいつは本当にバカだな。

 私は人だと一言も言っていないのに人だと思っている。

 私がキメラだということはしばらく黙っておこう。

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