第5話 カマキリ型モンスター

 なんということだ。

 火に耐性があるカマキリ型モンスターに遭遇そうぐうしてしまった。

 虫は頭を吹っ飛ばされてもしばらく生きているし外骨格で痛みを感じることはない。

 どうする? 腕や足を切断したくらいでは致命打にならない。

 蛇型モンスターの時のように体内に侵入するか?

 いや、待て。そもそもやつにはすきがない。腹を少し切り裂いてから火をそそぎこめばいいかもしれないが、腹の中にいるであろうハリガネムシに妨害されるおそれがある。

 厄介、だな。


「キョッ! キョッ! キョッ! キョッ!」


「……ッ!!」


 やつの大きなかまは研究所の廊下の壁を紙のようにすんなり切断してしまった。

 あんなのをくらってしまったら即死だ。

 なんとかして火力を上げなければ。

 私はフレアキャットからフレイムドラゴンにチェンジした。

 本当は変身したくなかったが、今必要なのは圧倒的火力だ。

 魔力をかなり消費してしまうが、魔力は空気中にたくさんある。

 世界樹の近くにいけば、すぐに回復できるだろうが世界樹がどこにあるのか私は知らない。


「これでも、くらえ!!」


 私の口から放たれた炎のブレスはやつの体を焼き尽くした。

 やつは何度かかまで私に攻撃してきたが、遠距離からの攻撃に成すすべもなく、あっさり息絶えた。


「はぁ……はぁ……はぁ……つ、疲れた」


 私はフレアキャットに戻るとその場で横になった。

 さすがに魔力を消費しすぎた。

 少し休まな、ければ……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る