第3話 蛇型モンスター

 困った。蛇型のモンスターがこちらをにらんでいる。

 動いたらられる。

 しかし、このまま睨み合っていると先に進めない。

 さて、どうしたものかな。

 私は今、フレアキャットの姿で蛇型のモンスターの対峙している。

 まあ、向こうは体長が十メートルほどもあるからフレアキャットの火力では倒せないだろう。

 それにこの研究所にいるモンスターはあらゆる耐性を持っている。

 モンスターを何体か同じ部屋に閉じ込めておいて最後の一匹になるまで殺し合いをさせる。

 最後に残ったモンスターがその部屋で一番強い。

 まあ、つまりは蠱毒こどくだ。

 ここにはそんなエリートがわんさかいる。

 もしかすると、さっきのブザーはこいつが出てきたことを知らせるものだったのかもしれない。

 まあ、今はそんなことよりもどうやってこの蛇型モンスターを倒すのかを考えよう。


「シャー!」


 威嚇いかく

 相手をビビらせるために不快な音を出すものだ。

 まあ、気にしなければ問題ない。

 しかし、売られたケンカは買うのが礼儀だ。


「シャー!!」


 私は全身の毛を逆立てながら威嚇した。

 それと同時に体に火をまとわせた。

 生物である以上、どんなに小さな火でも一瞬ひるむはずだ。

 私は蛇型モンスターが一歩後ろに下がった瞬間、床を思い切り蹴った。


「ニャー!!」


「シャー!!」


 私は一度、蛇型モンスターの口の中に入った。

 蛇はしつこい。だから、念のため息の根を止めておいた方がいい。

 私は蛇型モンスターの体内で口から火を吐いた。

 それは蛇型モンスターが一瞬で消し炭になってしまうほどの火力だった。

 よし、これで先に進めるな。

 私はブルブルと体を震わせて消し炭をできるだけ床に落とした後、出口に向かって走り始めた。

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