第2話 フレアキャット

 少し寒いな。なぜだろう……。

 あー、なるほど。私は今、全裸なのか。

 よし、では衣服を探そう。

 いや、待て。私は未完成だがキメラだ。

 モンスターの力を使えば服なんて必要ない。

 私は少し体を変形させてフレアキャットになった。

 よしよし、これなら移動しやすいな。

 身軽だし夜目も効く。

 まあ、戦闘力は低いから大型モンスターに襲われたら逃げるしかないのだが。

 私は研究所から出るために出口を探し始めた。


 *


 研究所の廊下……。


「……静かだな」


 今のところ私以外の生体反応がない。

 ここにはもう何もいないのだろうか?

 しかし、あれだな。あれからどれほどの月日が流れたのだろうな。

 まあ、相変わらず私はおさないままだったのだが。

 私がそんなことを考えながら廊下を歩いているとブザーが鳴った。


「うるさいな……。いったいなんだ?」


 私はしばらくその場で耳をふさいでいた。

 聴覚がいいと聞きたくない音でも大きく聞こえる。

 だから余計にうるさく感じた。

 ブザーは数秒で鳴り止んだ。

 いったい何だったんだ? 何かに警戒しろということか?

 それとも何かのトラップが作動したのだろうか?

 まあ、いずれにせよ早くこの場から離れた方がいいな。

 私はとりあえずその場から離れることにした。

 こんなところで死んでしまったら使命を果たせないからだ。

 早く妖精を根絶やしにしたい。

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