第1427話 距離間
「そうだぞ、ヨシノブ。
家族とはいえ男女は節度ある距離間を持つべきだ!」
フランコはミキの意見に同調する。
「えっ、えーと、あなたは?」
見慣れない人にいきなり同調されたミキは少し困惑する。
「私はフランコ、パライソという世界で神をしている者だ。」
「神様ですか。」
「そうだ、君の言葉は正しい、ショウという者は少し男女の距離を考えるべきだろう。」
「ありがとうございます!」
ミキはお礼を言うのだが、子供達は見慣れない人に言われたくないとミキの時には無かった敵意が沸き起こる。
「みんな落ち着いて、フランコさんこれは家族の話だから口を挟むのは止めてください。
ミキさんも少し落ち着いて、気持ちはわかるけどこれ以上はやり過ぎだ。」
子供達から敵意が漏れる前に俺は制止をかける。
「えっ、ヨシノブさん?」
俺が少し強めに止めた事にミキは驚いていた。
「みんなも落ち着いて、俺は家族の距離間は自由だと思っているよ。
その結果、恋人になってもいいし、結婚してもいい。
だけど家族で争うのは禁止だからね。
フランコさんも此処に滞在するなら争いを招く発言は控えてください。」
「ヨシノブ!」
「フランコさんは訓練を受ける為に此処に滞在しているのでしょう、我々家族の生活に口を出さないでもらいたい。」
「私はその娘の気持ちを考慮してだな。」
「ミキさんも家族ですから、思いは自由に言っても良いんです。
ですがフランコさんはお客さんであり、部外者なのです、そんな人が口を挟むといらぬ溝が出来てしまいます。」
「・・・わかった、この事に私は口を挟まない。」
「わかって頂けて何よりです、さあみんなも食事の時間だよ、機嫌を直して席について。」
「「「はーい。」」」
子供達も敵意を収め、席に着き始める。
その夜・・・
「ショウはポメちゃんに甘すぎよ!」
「ミキ落ち着いて、慕ってくれる子を無下には出来ないだろ?」
「節度って物があるでしょ、ショウがはっきり線引きをしないからポメちゃんもグイグイきちゃうのよ。」
「ポメはまだ子供だよ、犬獣人の子供は犬の特性が出やすいって聞いてるだろ?」
「そりゃ子犬みたいな行動をしやすいとは聞いてるけど、それでもショウ以外の男の子にはして無いんだから。」
「いやいやヨシノブさんにもしてるから、そんな物だよ。」
ショウはミキをなだめながら寝る為に部屋へと向かって行く。
「ねえ、ショウ、今晩はどうする?」
ミキはショウの服の裾を引っ張る・・・
「もう少し部屋で話そうか?」
ショウもミキの気持ちを汲み部屋へと入る。
二人はベッドに入るのだが・・・
「あれ?誰かいる?」
ベッドに向かうと暗闇ながら人の厚みがあることに気づき、ショウは部屋の電気をつける。
そこにはポメがスヤスヤと眠っていたのだった。
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