第626話 連絡に・・・

「ロンメル、私はズルさんのところで指揮を取ってくるわ。」

「こっちは問題無いが、攻撃に集中してて護衛が出せないぞ、移動は危険じゃないか?」

「大丈夫でしょ、車の速度に馬がついて来れると思えないし、街からも距離はとるわ。

それより一気に片付けるから、ズルさんに西と東から攻めてもらいたいし。」

「北にいるマックス方面に行くように追い立てるのだな。」

「ええ、マックス様が主力ですからね。働いてもらいましょう。」

「わかった、それではこちらも追い立てる攻撃を行いますか。

榴弾砲用意!壁の向こうの居住区に向かい撃て。」

ロンメルの指示の下に町に鉄の雨が降り注ぐ、既に多くが居住区から逃げおおせていたが住居がことごとく破壊されていく光景は逃げている住民達に恐怖を与えるには充分であった。


ロンメルが榴弾砲の使用を確認したあと、カルラは車両にてズルの陣を目指して走っていた。


夜間の為にライトを点灯して走行していた姿は城壁にからも見えていた・・・


城壁の崩壊した時からライトの部下の三騎士アシタは手勢を纏め東の城壁から状況を確認していた。

「アシタどうする、この城はもう終わりだろ?

逃げるか?」

アシタの仲間である、ビチャは迷いなく逃走を提案する。


アシタとその手勢は元々野盗であった。

その為に国の為に命をかける気はない。

「そうだなぁ・・・」

アシタも検討を始める、ライトには国に捕まった時に助けて貰った恩もあるが命を捨ててまで恩に報いるつもりは無い。

「アシタ、どうせならお宝貰って行こうぜ。」

同じくアシタ仲間モンは火事場泥棒を提案する。


「お宝をいただくには時間が足りない・・・うん?なんだあれは?」

アシタは城壁の外に光が動くのを見つける。


「なんだあれ?」

「見たことねぇな。」

ビチャとモンも光を見つけるがこんなものは見たこと無かった。

「モン、槍を寄越せ。」

「何だよアシタいきなりだな。」

「いいから早く!!」

モンはアシタに槍を渡す。


「喰らえっ!!」

アシタは全力で槍をライトに、カルラが移動している車に向けて槍を放つ!


アシタが投げる槍はアシタの人外な膂力により、有り得ない距離を飛ぶ事になる。


「あっ!光が止まった!」

ビチャが光を指差し、光が止まった事を告げると。

「全員、すぐにあの光に向かうぞ!急げ!」

アシタは手勢全てに命令を下す。


「へっ、いや、野郎どもアシタに続け!」

突拍子も無いアシタの行動だが、これまでアシタの勘に救われて来たことが多数ある。

町の混乱をヨソに全員が一丸となり光に向かい出撃するのだった。

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