第616話 戦争準備

ティエラ連邦内では意見が割れている。

クオムはジャミが率いていた派閥を纏めて、レックスの弾劾を始め、レックスを討つように話を進める。

その際、ヨシノブ及びマインズ王国からの援軍を得ている事を伝え、これを機会にマインズ王国どの友好関係が築ける可能性があることを知らせる。


レックス派閥は大きく反論するものの、派閥の長たるレックス自身が政治の場に不在の為、また大軍が攻めて来ていることに浮足立ち、纏まる事が出来ていない。

唯一、罪に問われかけていたライト一派を首都から逃がす意味も込めて、レックスへの援軍とし送るのが精一杯だった。


軟禁から解かれ、戦場に向かうライトとムロは馬上で話し合っていた。

「ライト、今回のレックス救援だが勝算はあるのか?」

「ムロ、やるしかないだろう、ジャミが死んだとはいえ、ジャミの派閥は健在だ。

このままだと我々はやられるだけになる。

それなら今回の戦争で手柄を立て、ジャミ一派を凌ぐ力を得なくてはいけない。」

「政治には関わりたくないが。」

「それを言っている場合じゃない、ムロの武勇に期待しているぞ、なにせ相手はあのマックスだ。

武勇で押し留める必要がある。」

「たとえマックスが相手といえど一対一なら負けたりしない。あとはどうやって近づくか・・・」

「わかった、作戦はレックスを交えて考える必要があるが、どの作戦もムロに頼ることになるな。」

ライト達は急ぎレックスと合流を果たす。


「ライトよく来てくれた。」

「レックス、かなり不利な状況みたいだが大丈夫か?」

「大丈夫とは言えんな、だが戦い方次第では何とかなるだろう。

君たちの力に期待させてもらう事になるが、頼むぞ。」

レックスはライトが連れている家臣達を始め、一兵卒に至るまで出来るだけ多くの人々に声をかけていく。

数に劣るレックスとしては士気でまさるためにも一人でも多くの者達に奮起してもらう必要があったのだ。


その上でレックスは籠城に備えて町の強化を始める、住民を総動員して、町の周囲にある堀を深く掘り、町を取り囲む壁には所狭しと矢の準備を怠らなかった。

「マックス、来るなら来い、簡単に滅ぼせると思うなよ。」


こうして、マックス達を迎え撃つ準備を整えていた。

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