第573話 四獣の苦労

結婚式に向けて天鳥船を動かす必要が出てきた。

シモは結婚式に向けて四獣を集める。

「みなさんに大事なお仕事をもってきたのよ。」


その言葉に四獣は明らかに嫌そうな顔をする。


「だいじなお仕事なのよ!」

シモは亀の甲羅に剣を突き立て威圧する。

四獣の顔は引きつる。


恐る恐る、朱雀が質問する。

「姫様、大事なお仕事とは何でございましょう?」

「うにゅ、おとうさんとおかあさんの結婚式があるのよ、結婚式は夫婦の大事なイベントなのよ。

その為には地球からお客さんを呼ぶ必要があるのよ。」

「・・・最近多くないですか?」


「多くないのよ、一週間に一度リョウ兄がお家に帰ってるだけなのよ。」

「結構魔力を使うのですが・・・」

朱雀はこれ以上増やす事が嫌だった為に表情にあらわれていた・・・


「これは大事なお仕事なのよ、もしかして反対なのよ?」

シモは悲しそうな表情を浮かべる。

四獣達に冷や汗が流れる。

この暴君のお姫様が泣いた暁には鬼より怖い爺さんが何を仕出かすかわからない。


「い、いやだな、誰も反対なんかしてないじゃないですか、なぁみんな。」

白虎は空気を読んで賛成の意を伝える。


「うにゅ、みんなありがとうなのよ。

何か必要な物があったら言ってほしいのよ。」


青龍が思い出したような、その上で、悪い顔をしてシモに伝える。

「姫様、魔力を持つものなら我ら以外にもおります、その者達に手伝わせれば補給も容易いかと思われます。」

「うにゅ、それはいい考えなのよ、それは誰なのよ?」

「この世界には我らと同等の力を持つ四竜と四大精霊が存在しております。

特に魔力に特化している四大精霊を捕まえ・・・もとい、力を借りれば今より楽に魔力が貯まることは間違いないです。」


「トカゲさん、それはいい情報なのよ、よくできましたシールを上げるのよ。」

シモはよくできましたシールを青龍に貼る、このシールはアキラの横暴から一枚に付き一回身を守ることの出来る生命線でもある。

青龍は大事にしまい込む。


「ずりぃぞ、青龍、四大精霊を売ってシールをもらうとは!」

「うるさい白虎!シールが得れるなら精霊の一匹や二匹引き渡すわ!」

「姫様、四大精霊の居場所を知ってます、地図はありますか?」

「うにゅ、あるのよ。」

白虎と青龍が言い争いをしている中、朱雀が四大精霊の居場所を教える。


「朱雀もよくできましたシールをあげるのよ。」

シモは上機嫌でシールを貼る。


「「「あっ!」」」

他の三体はシールを貼られる朱雀を羨ましそうに見る。


「方針は決まったのよ!シモが捕まえて来るまで四獣のみんなが魔力を込めているのよ。」

シモは元気よく飛び出して行く。


四獣は逆らう事も出来ず、ただ魔力を込めるのであった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る