第546話 ヨシノブの欲しい物

「ヨシノブ、何か欲しい物はないか?」

「レオいきなり何?」

ルナが電話を代わってくれと言ってきたから代わったのだが、いきなりレオから悩む質問が来た。


「いや、実は・・・」

レオからイギリス政府が異世界の物を輸入したがっている話を聞くことになる。


「なるほど、それで欲しい物を聞いたのか。」

「ああ、もちろん無理強いをするつもりは無い。

ヨシノブが交流したくないなら、この話はここまでにするが?」

俺は少し考える、イギリス自体はいつか行ってみたかった国であり、どちらかと言えば好きな国であった。

そして、欲しい物か・・・


俺は少し考える。

「なぁ、レオ何でもいいのか?」

「大体の物は用意出来ると思うが、無理な物はあるからな。」

「・・・イングランド代表のサイン入りユニフォームが欲しいです。出来たら写真つきがいいかも。」

「はい?」

「いや、無理を言ってるのはわかっているよ。

でも言うだけならいいじゃないか。」

「違うって!そんなのでいいのか?」

「そんなのって言うなよ!俺は実はサッカーファンでね、イングランドを子供の頃から応援しているんだ。」

「いやいや、そういう意味じゃ無くて、それなら私でも用意できるが。」

「できるの!」

「ああ、イングランド代表にオファーを出して正式に貰ってくることも可能だ。」

「・・・なら、もう一つ無理を言ってもいいかな?」

「お前の無理は無理じゃ無い気がするが言ってみろ。」

レオはどこか呆れているように聞いてくる。


「2002年の日韓ワールドカップのメンバーのサイン入りユニフォームって手に入る?」

「手に入る。何ならお前宛ってメッセージも貰ってやる。」

「いいの!!」

「いいぞ、それぐらい。」

「やった!!」

「なぁ、嬉しそうにしているところ、悪いが何でイングランド代表、しかも2002年なんだ?」

「小さい頃、両親に連れられて当時淡路島にキャンプに来ていたイングランド代表を見に行ったんだ、その時の姿に幼心ながら憧れてね。

まあ、ちょっとした思い出なんだけどね。」


「そうか、それなら準備しよう・・・って!そうじゃない、国としての交換条件をだな。」

「あー、それならカオリに振り込んであげて、大量に何でもは無理だけど、多少の事は融通するよ。」

「いいのか?」

「妹が世話になっているしね。」

「私は娘が世話になっているのだが?」

「ルナさんは子供の面倒も見てくれて助かっているから、世話しているつもりも無いよ。」

「まあいい、政府に伝えるがそれでいいか?」

「了解。」

「軽いなぁ・・・」


レオは少し不安が残りつつも結果をドレイク首相に伝える。


「そんなものでいいのか?」

「いいみたいです、欲しい物は人それぞれですから。」

レオ自身、ドレイク首相に伝えるのが恥ずかしいぐらいだった。

「すぐに用意しよう、それとミスリルとポーションを研究用に送って欲しいと伝えてくれ。

もちろん代金は支払う。」

「わかりました、伝えておきます。」


イギリスはアメリカより簡単に取引を開始し始めるのだった。

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