第478話 レックスの暴挙
ジャミから連絡を受けたレックスは・・・
「何と、ジャミ殿がそのような危機になっているとは。」
「はっ、ジャブの住民を助ける為にどうか助力をお願いします。」
「わかった、このような時だ、住民を迎えに行こう。」
「ありがとうございます。主ジャミも必ずやご恩を感じる事でしょう。」
使者が帰るとレックスは行動を開始する。
「今が好機である、ティエラ連邦に蔓延る権力の亡者を始末するのだ!」
レックスは長年の権力争いから、軍を起こし、ジャミを狙うのだった。
「ジャミ様、レックス様が救援軍を送ってくれるそうです。」
「そうか、レックスとは長年競いあう事も多かったがさすがにこのような時だ、怨恨は後回しに・・・」
「申し上げます、レックス准将の部隊が静止を聞かずにこちらに向かってきております。」
「ジャミ様、これはおかしい、防衛にあたる許可を。」
「う、うむ、ロッコ、念の為に備えてくれ、だがこちらから手を出すな。」
「そんな事を言っている場合ではありません!」
ロッコが指揮を取る頃には既に戦端は開かれており、全てが後手にまわる。
しかも、兵士達は住民の世話で疲弊しておりレックスに押し切られていく。
「レックス准将に問う!何故このような暴挙にでるのだ!」
「黙れロッコ!国の政治をほしいままにしている、大罪人である。
山が火を噴いたのは我らに天誅の機会を天が与えてくださったのだ!
やれ!ミーユ」
レックス軍の先頭を行くのはミーユだった、彼は精神面でおかしなところがあるものの、こと戦闘に対しては天才的な強さを誇っていた。
「くそっ!話にならん!
全軍レックスが反乱を起こした、迎え討つのだ!」
ロッコが前に立ち、士気を上げようとするものの、疲労と噴火の影響のため、肉体、精神的にも疲労している兵士は次々と討たれていく。
「ロッコ!その首もらった。」
「ミーユ!信念を持たんお前に私は討たれん!」
ロッコとミーユの一騎討ちが始まる、だがその間もレックス軍は止まることなくジャミに向かい攻撃が止まることはない。
「行かせん!防げ!防ぐのだ!」
ミーユ相手に互角の勝負を繰り広げていたが、レックス軍の進軍が進むことに気を取られ兵士に命令を出す。
「よそ見とは舐められたね。」
ミーユの剣がロッコの胸を突き刺す。
「ぐっ!」
「これで終わりだ。」
「む、むねんだ・・・だが、ただでは死ねん、せめてお前だけでも道連れだ。」
ロッコはミーユの腕を掴み、引き寄せる。
「なっ!は、離せ!」
ロッコの身体に剣が深々と刺さるが、気にも止めずミーユを引き寄せる。
「や、止めろ、何をする気だ!」
「ジャミ様、先に行く不忠をお許し下さい。」
ロッコは最後の力でミーユの身体に剣を突き刺し、命を使い果たした。
「い、いたい、いたい!離せ!ごほっ!血が出ている・・・僕の身体から血が・・・」
ロッコとミーユ、互いに剣を突き刺した状態で動くことは無かった。
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