第412話 ルクスとお話
「なあ、ルクス、婚約者がいるって聞いたけど?」
「ああ、いることはいるぞ、ただ結構会ってないな。」
「俺と行動してて会えないならいつでも言ってくれ、移動の足ぐらいはすぐにするぞ。」
「そういう理由じゃないんだ、婚約者というか、婚約者の家が少々野心があってね。
俺を王にしようと画策しているようなんだ。」
「それって大丈夫か?お家騒動は見たくないぞ。」
「だからだよ、俺はなるべく国にいないし婚約者の家とも距離をとっているんだ。」
「しかし、なんでそんな野心のある家と婚約したんだ?」
「昔というか先代は違ったんだ。長年王家に忠実な家だったんだが、先代当主が急に亡くなって婚約者の兄になるレンが継いでからどうもおかしくなっているんだ。」
「どうするんだ?このまま会わない訳にもいかないだろう?」
「ああ、兄上の権威が盤石になればと思ってはいるのだが・・・」
この前の魔物討伐のせいでルクスの人気は上がっており、折角、俺についていき国を置いている無責任をアピールしていたのが無駄になってしまっていた。
「難しい立場なんだな。」
「わかってくれるか?」
「なら、こっちに呼ぶのはどうだ?
ここならルクスに権力はないだろ?
その婚約者がルクスの事が好きならついて来てくれるのでは?」
「いいのか?」
「いいよ、別に王位を欲しいならあげてもいいし。」
「いらん、そもそもお前の国はお前無しに運営出来ないし、シモちゃんに斬られるような真似はしたくない。」
「シモはルクスの事を斬ったりしないだろ?」
「味方であればな、あの子は敵味方をはっきり分けるタイプだ、敵かもしれないや味方かな、なんて甘い立場を認めるとは思えない。」
「そうかな?ちゃんと言うことを聞いてくれるぞ。」
「お前の話ならな。」
「うにゅ?呼んだのよ?」
シモが自分の名前が出た為に俺の所にやってくる。
「呼んでは無いけど、膝にのる?」
「のるのよ♪」
ルクスが危ないように言うがシモはどう見ても甘えん坊で危ないとは思えなかった。
「おとうさん、大変です。」
オットーが部屋に駆け込んできた。
「どうした?」
「や、山が火を噴いています!」
青い顔をしたオットーが伝えて来たのは火山の噴火だった。
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