第410話 教育
「シモ、いきなり暴力はだめだよ。」
俺は暴力をふるったシモにお説教をするが・・・
「仕方ないのよ、マックスが騒ぐのが悪いのよ、ハルくんの耳が潰れたらどうするのよ。」
珍しくシモが反論してくる。
「シモ、まずは言葉で伝えようね。
マックスも悪気があったわけじゃないし、隣の部屋のことだからね。」
「でもでも、マックスのせいでハルくんが泣いたのよ・・・」
「赤ちゃんは泣くのが仕事だからね。
シモが目指すお姉ちゃんは誰にでも暴力を振るう姿なのかな?
それだとハルノブも怖がるかもしれないよ?」
「うにゅ!ハルくんが怖がるの?それはダメなのよ。」
「そうだね、だから、言葉で・・・」
そこまで言って俺の意識は無くなった・・・
「ヨシノブも疲れておるのぅ・・・」
「おじいちゃんなのよ、おとうさん疲れているのよ?」
「そうじゃ、魔力を使いすぎておったからのぅ。」
アキラはシモにも見えない速度でヨシノブの意識を刈り取っていた。
「うにゅ、疲れてるおとうさんに心配かけてしまったのよ・・・」
シモは暗い表情を浮かべる。
「シモちゃんは間違っておらんぞ、ヨシノブは人が良いから悪意に気付かぬだけじゃ。
いつの時代も先手必勝、やられる前にやらねば大事な者は守れん。
それにのぅ、シモちゃんはマックスを殺しておらんではないか、それはシモちゃんの優しさじゃ、間違ってはおらん。」
「うにゅ、シモあっているのよ?」
「あっておるぞ、シモちゃんは強いお姉ちゃんを目指しておるのじゃろう?」
「にゅ!誰よりも強くて頼れるお姉ちゃんになるのよ!」
「そうじゃろ、なら強くならねばならん。
いかなる悪意からも守らねば、赤子などすぐに死んでしまうからのぅ。」
「にゅ!ハルくんが死んじゃうのよ!それはダメなのよ!」
「そうじゃろ?ならば敵は倒さねばならん。
なに、殺して無ければ後で話し合いはできる。
そこらの加減だけ、間違えねば良いのじゃ。」
「勉強になるのよ、おじいちゃんありがとうなのよ!」
俺の意識がないうちにシモへのアキラ流英才教育が施されていたが、意識の無くなっている俺には知る由もなかった。
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