第404話 出産

「おとうさん、残敵掃討は僕達に任せて屋敷の・・・おかあさんのところに!」

ロンメルが俺達の前にやってきて、屋敷に帰るように伝えてくる。


「わかった、ロンメル頼めるかい?」

「はい!」

ロンメルはいい返事をする。


「我らも敵を始末いたしておきます。」

酒呑童子含めて鬼達も引き受けてくれるので俺達は屋敷に戻ることにする。


屋敷に戻るとサリナが出産を無事におえた事をリミが知らせにきた。

俺は急いでサリナの元に。


「サリナ、間に合わなくてごめん、

よく頑張ってくれたね。」

「わかってますよ、ヨシノブさん。

外は大変だったんでしょ?」

「ああ、それでも出産に一人で立ち向かわせてしまって・・・」

「大丈夫ですよ。そんな事より赤ちゃんを見てください。

私達の子供ですよ。」

俺はサリナの手を握り感謝を伝える。

そして、カルラに連れられ産まれたての赤子の所に案内された。

「おお・・・」

俺は感動で声が出なかった。

俺の横でシモも・・・

「うにゅ・・・」

涙を流して感動していた。


「おとうさん、おめでとうございます。

元気な男の子ですよ。」

出産を執り行ったミキが横で祝の言葉をかけてくれた。

「ミキさん、ありがとう。君のおかげだよ。

なんて感謝をすればいいか!」

「いえ、全てサリナさんの頑張りです。

いつもお世話になっているのですから、こんな時こそ出来る事をさせて頂いただけです。」

「それでも、ありがとう。」

俺は泣きながらミキの手を取り感謝を伝えていた。

ミキは照れくさいようだったが俺の感謝を受け取ってくれた。


「ヨシノブさん、それより、名前を考えてありますか?」

「うん、男の子だからね、名前はハルノブにしようと思うんだ。」

俺はアマテラスの加護から晴れをイメージしてハルノブと名付けた、願わくば天照大神の加護があればと思い。


「ハルくん、お姉ちゃんなのよ?

はわわ、お手々を握ってくれたのよ。」

シモはベッドで寝ているハルノブの横でじっと見ていたが赤ちゃんの小さな手に手を出すと握ってくれたようで感動しているようだった。

「シモ、お姉ちゃんとしてよろしく頼むよ。」

俺はシモの頭を撫でてハルノブを頼む。

「うにゅ!たとえ神や悪魔が来ても守り抜くのよ!

お姉ちゃんは弟を護る為に最強になるのよ。」

シモは胸を張り宣言するのであった。 

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