第336話 地獄の幕開け
訓練日。
屋敷周辺に第四騎士団と近衛騎士団が集まって来ていた。
「ヨシノブ、今回の事はすまなかった。」
ルーズ王が屋敷に現れ謝罪してくる。
「いえ、私達の方にも非がありますから。」
「とはいえ、切っ掛けは騎士団の滞在と娘のリズのせいであろう。ウインの奴も変な纏め方をしおって、更に迷惑をかけるとは・・・」
「まあまあ、訓練に参加するぐらいたいした事はないですよ。
ルーズさんは俺と一緒に見学を・・・」
俺はルーズを連れて、全体が見渡せる二階テラスに案内しようとするが・・・
「待て、ヨシノブは参加だよなぁ〜」
「離せリョウ、俺は接待しなくてはいけないんだ!」
「誰が離すか、さあ地獄が待ってるぞ。
王様の接待はサリナさんとショウくん、ミキちゃんがやってくれる、安心して、逝け!」
「離せ、嫌だ!爺さんの修行だけは・・・」
力強くで連れて行かれるのだった。
「うう・・・なんで俺まで。」
「ここまで来たんだ諦めろ。」
リョウは爽やかな笑顔を見せてくる。
「お前が連れてきたんだろ、俺は逃げれそうだったのに・・・」
「誰がお前だけを助けるか、共に地獄へ逝こう・・・」
リョウの目は暗く濁っていた。
「さて、揃ったようじゃのう〜
まずは荷物を背負って屋敷の周りを走れ。」
アキラの言葉に子供達を含めて俺達は即座に置かれている荷物を背負い走り出す。しかし、事情を知らない騎士達は・・・
「走れって、誰でも出来るじゃねえか。」
「厳しい訓練とか言ったがこれぐらいか?」
「所詮子供や一般人だ、毎日訓練している俺達とは違うと言う事だ。」
喋りながらノンビリ準備をしていた。
ドゴッ!
一人の騎士がアキラに木刀で殴られ腕を折られる。
「ぐわぁ!腕が!」
「キサマら何をしておる。走ることもできんのか!」
「爺さん、腕が折れてる、俺は走れない、医務室に連れて行ってくれ!」
折られた騎士が叫ぶが・・・
「足は折ってないのだから走れるだろう。お前は戦場でもそう言い訳して転がっているつもりか?
そのような戦士はいらんなぁ・・・」
アキラの瞳からは殺気が溢れている。
「ひぃぃぃ!は、走ります!走りますから!」
「ならば、さっさと走れ!一周回って最後尾の奴は両足を折る、さっさと行け!」
騎士達は慌てて走り出すが・・・
「荷物も持っていかんか!楽をする奴も折るからな!」
荷物を背負っていなかった騎士は慌てて荷物を取りに戻る!その際、また一人、腕を折られた。
一周目、
「ま、待ってくれ!このままじゃ俺が折られてしまう。」
最後尾の騎士は涙目で同僚に訴えかける。
「待てねぇよ、俺が折られるじゃねえか!」
「頼む!助けてくれ!」
「嫌だ!」
最後尾の騎士は足を折られた。
5周目、屋敷の反対側で、
「少し休んで行かないか?全員で休めば最後尾にならないじゃないか?」
その言葉に賛同した者がいた、地面に座り呼吸を整えていると・・・
「訓練をサボるとは軍人にあるまじき行為、反省せよ!」
座っていた者達は両手両足を折られる。
10週目が終わると・・・
「ふむ、準備運動はこれまでじゃ、各自10分やる呼吸を整えよ。」
俺や子供達は言われるままに呼吸を整える。
その際、気の流れを意識し体力回復も忘れない。
1秒たりとて無駄にすると今後に関わってくる。
だが、知らない騎士は・・・
「もー無理だって。」
「こんなにキツイのは初めてだよ。」
「何人やられたんだ?」
「100人近いんじゃないか?」
各自無駄口を叩いていた・・・
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