第307話 子供の知らせ

「きつい・・・」

「もう動けねぇ・・・」

俺とリョウはアキラとの模擬戦の後

精魂尽きて地面に横たわっていた。


「おとうさん、大丈夫なのよ?これを飲むといいのよ。」

シモが飲み物持ってきてくれていた。

「ありがとう。助かるよ・・・」

「うにゅ♪シモは出来る女になるのよ!」

「どうしたんだい?」

「出来る女にいもうとは惹かれるのよ!」

「あーサリナから聞いたんだね。そうだね、シモ、産まれてくる子供を守ってくれるかい?」

「もちろんなのよ!」


「ヨシノブ!お前子供ができたのか!」

「そうだよ、言ってなかったか?」

「聞いてないよ!」

「まあ、そういう事だ。」

「やることやってるじゃねえか、それで俺をハーレムだと批判してやがったのか?」

「ハーレムには違いないだろ?」

「・・・否定は出来んが、お前も女にモテてるじゃねえか。」

「俺のは吊橋効果みたいなものだからな、あんまり褒められたものじゃないよ。

それに地球の人には帰ってもらう予定だからな。

・・・お前の船は使えるのか?」

「たぶんな、充電出来れば、往復出来ると思うが・・・一度、俺が自分で試すよ。」

「悪いな・・・お前を危険に晒して。」

「俺も帰らないといけないからな。」

「うにゅ?リョウ兄帰るのよ?」

「そうだよ、シモちゃん、俺の家は向こうにあるからね。」

「そのお船さん、つかえるのよ?」

「たぶんね。地脈を注ぎ込んでも充電出来てるから、日本でも充電出来ると思う。」

リョウは既に充電する為にヨシノブの家に滞在してすぐに地脈に干渉して、船に霊力を補充していたのだった。


「やることはやってたんだな。」

「子づくりだけのお前とは違うのさ。」

「アホか!子づくり以外も頑張ってるさ。」

「おとうさんは子づくりを頑張ればいいのよ。」

「「・・・」」

シモがいるのを忘れて二人はシモネタに走った事を後悔していた。


「あーなんだ、シモちゃん今のは忘れて。」

「うにゅ?どうしてなのよ?」

「子供の前でする話じゃなかったな。」


「お前ら元気になったのなら今一度来い、修練をつけてやる。」

俺達の話し声が聞こえたアキラは再度オレたちに向かって来ていた。

足元にはパウルとオットーが目を回して転がっていた。


「うにゅ、3人でたたかうのよ♪」

シモは嬉しそうに突撃していく。

アキラと楽しそうに剣を交える姿に・・・

「なぁ、シモが強くなりすぎてないか?」

「爺さんの英才教育の結果だな・・・」


「お前らシモちゃん一人に任せて恥しくないのか!さっさとこんか!」

アキラのキレ気味の声に俺達は覚悟を決めて訓練を再開したのだった。

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