第231話 のんびりと一時

タケフミが地球で猛威を奮っている頃、

シモは・・・

「はぅ、これは美味しいのよ・・・」

ルナにみたらし団子を食べて感動していた。


「美味しいでしょ?ヨシノブの故郷のお菓子なんだって。

私が日本で一番のお店から取寄せたのよ。」

ルナは親の権力を使い、一流店の物を数多く登録していた。


「確かにこれは美味しいな。」

俺も日本にいた時には食べた事もない、一流店の団子に感動すら覚える。

「これがヨシノブさんの故郷の味ですか。」

サリナも喜んで食べていた。


「さて、ヨシノブ、食べたあとはわかってるよね?」

「わかってるって、化粧品に魔力を込めたらいいんだろ?」

「さすがぁ〜ママの催促が煩くてさぁ〜」

「そんなに?でも、結構送ってるよね?」

「知り合いからも頼まれるんだって。

売る気はないけど、友人から頼まれると断り辛いとか。」


「まあ、ルナの実家のおかげでみんな喜んでいるからね、協力は惜しまないよ。」

「ありがとう♪」


「みたらし団子か?」

俺達がお茶をしている所にアキラがやって来る。

「アキラさんもどうですか?」

「ふむ、もらおうか。」

「おじいちゃん、シモの横に座るのよ。」

シモは横に座布団を置き、パンパンと叩く。

「おう、シモちゃんや、そうだのう、其処に座らせて貰おうか。」

アキラは目を緩ませ、シモの横に座る。

こうして見ると好々爺なのだが・・・


「おじいちゃん、パウルとオットーはどうなったのよ?」

シモは先程まで特別訓練を受けていた、パウルとオットーについて聞いてみる。

ちなみに俺達は訓練を終えていたのだが、アキラ的ノルマに達しなかった二人は特別訓練となっていた。


「まだまだ粗いのぅ、もっと繊細に魔力を使わねば、いざという時に遅れをとるであろう。」


「違うのよ、二人の戦闘力より、今の状態を聞いているのよ。

場合によってはカエデに連絡する必要があるのよ。」

「今の状態か?ワシが訓練所を出る時は目を回しておったからのう、重ねて放置してきた。」

「もしもし、リミ、重なってるそうなのよ。

カエデにも連絡よろしくなのよ。」

シモは何故かリミに連絡を入れていた。


「シモ何してるの?」

「おとうさん、乙女の秘密なのよ、シモは口が固い乙女なのよ。」

シモは口の前に指でバツを作り、喋らないアピールをする。


「シモ、俺の膝に来るかい?」

「いくのよ♪」

シモは迷わず俺の膝に座り嬉しそうにする。


「シモ、リミは何を気にしたのかな?」

「パウルとオットーの状況なのよ。」

「うーん、リミはどっちかが好きなのかな?」

「どっちかじゃなくて、二人が好きなのよ。」

「二人が好きなのか・・・これは難しいね。」

確か、ヘルマンの恋人だったような・・

リミの恋愛模様に俺は頭を悩ませる。


「難しいのよ、リミはオットー☓パウル派なのに、主流はパウル☓オットー派なのよ。」

「☓?何の話?前後の名前の順にどんな意味が?」

俺はなぜか掛け算が出てきた事に頭を悩ませる。

「ヨシノブさん、子供達の話ですし、根掘り聞かなくても。」

サリナがやんわり止めてくる。


「まあ、そうか。でも、問題になるようなら、ちゃんと対処しないといけないから、俺かサリナに連絡するんだぞ。」

「大丈夫なのよ、おかあさんも知ってるのよ。」


「シモちゃん、私は認めてません。」

「おとうさん、怒られたのよ。」

シモはギュッと抱きついてくる。

「まあまあ、サリナ折角のお茶の時間に怒らなくてもいいんじゃないか?」


「もう、ヨシノブさんに甘えたらいいと思って!」

サリナは口を膨らまして怒っているふりをしていた。


「そうだよ、シモちゃんは反省が必要だよ、乙女の秘密を話しすぎ。」

何故かルナも参戦してシモを叱るのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る