第177話 新たな転移者

町が建設している中、

俺は自衛隊の山本にこちらの事を報告していた。


「なるほど、戦争になっていたと・・・」

「そうですね、でも、俺が保護している日本人は全員無事生きています。」

「それはよかったのだが、ツバサくんについてはどうなんだ?」

「わかりません。今回の戦争では見かけませんでした、ただ、敵対してますので、彼に対しては命の保証はしませんよ。」

「私の立場としては、助けてもらいたいのだがね・・・」

山本も苦しい立場なのだろう、言いにくそうに伝えてくる。


「助けれるなら助けますが・・・彼が襲ってきた事実もあります。

約束はできないと考えてください。」

「わかっている、それでも頼む。」

山本は頭を下げる。


そんな中・・・

「此処にいたのよ、おとうさん、お客さんなのよ。」

シモが入ってきた。

「どつしたのシモ?今電話中なんだけど?後に出来ない?」

「早く知らせた方がいいと思ったのよ、その子、日本から来たって言っているのよ。」

「「えっ?」」

俺と山本の声がかぶる。


「でもね、髪の色が金なのよ。

名前はルナ・クレアって言ってるのよ。」


「ルナ・クレアだって!」

山本は席を立ち上がる。

「山本さん、知っているんですか?」

「ああ、先日、日本を旅行中に行方不明になった子供だ!」

「もう大人なのよ、16歳だって言ってたのよ。」

「いや、シモ、まだ子供だからね。」

「ヨシノブさん、どうか彼女も保護をお願いしたい!」

「いや、しますけど、やけに強く言いますよね?」

「彼女はイギリスの大富豪の娘で、日本で突如行方不明になっていて、騒動になっているんだ!」

「そうですか、まあ、保護しますけど、シモ、その子は今どうしてる?」


シモは当然のように話し始めた。

「ハートが面倒見てるのよ。

おとうさんに会わせる前に礼儀を教えているのよ。」

「・・・山本さん!用事が出来ました!連絡は後日!」

ハートはまずい!俺はあわててルナに会いにいくのだった。


グランドにハートの声が響き渡る。

「なんだ!その声は!返事はハイかイエスしかないと言っているだろ!このウジ虫が!」

「私はウジ虫じゃない・・・」

「逆らうなこのウジ虫が!

お前は訓練が終わるまではウジ虫だ!」

「ちが・・・」

「違わない!さっさと走れ!」

「もう、走れな・・・」

「走らんか!」

ハートは鞭で地面を叩く。


「は、はい・・・」

ルナは泣きそうな顔をしながら、走らされていた・・・


「ハート!ストップだ!」

「これは司令!そこまで一時休止!」

ハートの声でルナは足を止め地面に倒れる。


「ハート、彼女は客人だ、訓練しなくていい。」

「はっ!司令がそうおっしゃるなら問題ありません!」

ハートは敬礼したまま会話をしている。


「私、助かったの・・・」

会話を横で倒れながらも聞いていたルナは涙を流していた・・・

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