第174話 タケフミ再び。

マルコスを追放したあと、フィリア達と話し合うことにした。

「さて、君たちは今後どうする?」


「出来たら、ヨシノブさんの元で働かして貰いたいのですが・・・」

ジェナは言いにくそうに伝える。

「とはいえ、マルコスがやったことを考えるとそのまま君達に店を任せる気にはなれない。」

「それはわかってます。

一従業員でもいいんです。親子三人が食べていけるぐらいの収入でいいんです。

どうかお願いします。」

「うーーーん。」

俺は悩む、路頭に迷わせるのも趣味じゃないが・・・


「話は聞いたヨシノブ!この店は俺に任せてくれ!」

そこに現れたのはタケフミだった。


「・・・あータケフミくんか!」

俺は一瞬誰かわからなかった、どうしてもイメージが子供だった為に、年をとっている姿に違和感があったのもあるが、日に焼け、筋肉質になっており、雰囲気が違っていた。


「そうだよ、どうだ、この店を俺に任せてくれないか、ジェナもフィリアも俺が面倒見てやるよ。」

ジェナを見る眼は欲望に濁っていた。


タケフミはジェナに欲情していた、ジェナは美人である上に、タケフミは自身が歳をとったことで好みの年齢層が上がっていた。

隙あらばと狙っていたが、

今その隙が出来ている。


ここで店長の座を手に入れれば、ジェナを好きに出来る、そして、フィリアも・・・

タケフミはどこまでいっても自分本意であった。


「はぁ、君に任せる事はない。でも、君の処遇も考えないといけないのか・・・」

俺は気が重くなる。

「なんでだよ!同じ日本人だろ?店を一つぐらい任せてくれてもいいじゃないか!」


「君がしてきた事を考えろ、俺が君を信じる事は無い。

取り敢えず、店は休業にする。

ジェナとスィンは知り合いに預ける。

タケフミくんは・・・どうするかだな。」

俺は悩んだ末・・・

「はぁ、一度基地に連れて行くか。」

預け先が思い付かなかった為に、一旦、基地に連れていくことにした。


そして、ジェナとスィンはルーカス商会に預ける事にした。

そして、フィリアは本人の願いもあって、基地にいることになった。


「フィリア、基地にいる以上、マルコスに口利きや横流しするのは駄目だからな。」

俺はあらためてフィリアに告げる。

「大丈夫・・・絶対に出来ないから、そうでしょ?」

フィリアはシモを見る。


「出来ない事はないのよ?フィリアが直接会いに行けばいいのよ?

・・・でも、帰ってこれる保証はないのよ。」

フィリアは震え上がる。


「ぜ、絶対にないから!シモちゃん約束するからね!」

「シモは何もしないのよ?

でも、裏切りは良くない事なのよ。」


「フィリア?なにシモを見て震えてるんだ?」

「ヨシノブさんにはわからないのよ、ううん、知らなくていいの。そう、だからねシモちゃんほら笑って・・・大丈夫だから。」

「シモは笑っているのよ、変なフィリアなのよ。」

フィリアは何処まで話してもシモに怯えていたのだった。

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