第164話 ツバサの戦場

ナタルが討ち取られ、混乱する中、爆撃が始まり、どうしようもなくなった戦場にツバサはいた。


ツバサの周囲も既に火の海と化していて、ツバサ自身も爆風で飛ばされる事もあった。


「くそっ!なんなんだよこれは!」

爆風が吹きすさぶ中、ツバサは聖剣の力で生き残っていた。

聖剣に力を込めると、多少なりの結界が張れる、その効果で何とかツバサ自身は生き残っていた。


「勇者様、どうか我等を助けてください!」

兵士の多くがなす術も無くやられていくなか、本陣との連絡も途絶え、どうしたらいいかわからなくなった者達が、ツバサの元に集まってくる。


「仕方の無い奴らめ!俺に続け!」

ツバサはどことなく嬉しそうに聖剣を構える。

人に頼られる優越感がツバサは好きだった。

そして、人々が勇者を信じる思い。

それは勇者に、聖剣に力を集める。


「いくぞ!」

ツバサが聖剣を振るうと火の海が割れ、敵の基地が見える。

「見ろ!あれが諸悪の根源だ!全員の力を集めてあれを倒すぞ!」

ツバサの声に周りが呼応して生き残り達は決死の突撃を敢行する。


「邪魔だ!」

ツバサは上空から飛来するミサイルを聖剣から発する斬撃で破壊する。

「さすが、勇者様だ!」

兵士の喝采を受ける。

「お前ら早く行くんだ!こうしている間にも多くの者の命が奪われているんだぞ!

皆を救えるのはここにいる者達だけなんだ!」

「おお!」

ツバサの言葉に士気が上がる。

ツバサ自身も絶好調だった、今この瞬間は勇者として輝いていた。


死地に立たされながらも、勇者と共に戦う。

その事が兵士を奮い立たせていた。


ツバサはもう一度聖剣を基地に向けて振る、遠いながらもついに斬撃が基地に届き城壁に穴を空ける。

「良し!見たか、全員あの穴の目指せ!中に入れば我等の勝ちだ!」

ツバサの声に全員が突撃を敢行する。

基地に近付いているため、さらに銃弾が飛び交う、多くの兵士が倒れるが前進を止めない。

中には死体を盾にしてでも突き進む者もいた。


そんな中、ツバサは聖剣の力が溜まるたびに城壁に向かい斬撃を飛ばし、ミサイルを斬り、爆弾すら斬る。

兵士から見たツバサの姿は未知の攻撃に抗う勇者の姿だった。


ツバサの援護に兵士は突き進む。

あと少し・・・

城壁が近付いて来ていた。

町からの攻撃も城壁が破壊された為か、多少弱まっていた。


「もう少しだ!あと少しで我々の勝利だ!」

ツバサの言葉に兵士の足も早くなる。


「・・・あー、やっと見つけました。こんな所にいたんですか。

探しましたよ~」

ツバサの前に突如現れたのは神界から追い出されたルールだった・・・


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