第161話 開戦!

ついに基地から目視できる位置まで敵軍が現れた。

俺は城壁まで敵の姿を見に来ていた。


「さて、全員配置についたかな?」

「大丈夫です!いつでもやれます!」

ヘルマンは大きな声で応えてくれる。

「おとうさん、もう始まるから司令部に入るべきとおもうのよ。」

シモが俺の袖を引き中に入るように促す。


「シモ、たぶん最終勧告みたいなのがあるそうなんだ、だから城壁まで来てるんだけど、そうだよね、ルクス。」

「ああ、始める前に誰かが開戦の使者として口上を述べるのが・・・って、来たか。」

ルクスが指差す方向に一人の騎馬がやって来た。


「我が国の反逆者を匿う者よ!

恥を知るなら即座に降伏いたせ!

今なら、領主ヨシノブを含め反逆者の身柄の明け渡しだけで住人及び兵士の命は保証いたそう!」


「うるさいのよ。」

シモはいつの間にかマイクを持っていた。

そして、多数のスピーカーで声を拡大させている。


「勝手におうちに入りこんだ人は泥棒なのよ。

家族の命を狙う者は殺人鬼なのよ。

そんなの子供でも知ってることなのよ。


あなた達はおとうさん、おかあさんの命を狙う殺人鬼で、私たちのおうちを狙う泥棒で・・・つまり悪党なのよ!

そんなやつは生きる価値なんてないのよ。


全員、攻撃開始なのよ。」

シモの・・・幼女の声が戦場に響き渡る。


一瞬、戦場に静寂がおとずれるが、ローラン王国からは失笑も出ていた。

「何で子供が口上述べているんだよ。」

「パパ、ママを守るって、どうやって。」


しかし、失笑は直ぐに終わる。


ヘルマンがシモの合図に応える。

「・・・何でシモが開戦の合図をあげるんだ?


まあいいか、全員、砲撃開始!

誰一人生きて帰すな!」

「おお!!」

城壁から各種迫撃砲、機関砲が一斉に放たれる。

次の瞬間、前線にいる兵士がMINIMIの餌食となり倒れていく、その後ろでも迫撃砲による爆発が起きた。

楽観視していた兵士達が死んでいく。


「続けて撃て!

的はいくらでもあるぞ!」


子供達は情け容赦無く、敵陣に向かい砲撃を続ける。


そして、攻撃は空からも・・・

敵陣後方にルーデルが爆撃を開始する。

「ふふん♪ポチっとな。」

ルーデルが鼻歌交じりに爆弾を落としていく。

ルーデルは雲の上を飛んでおり、敵の誰にも気付かれること無く、爆弾は投下される。


「よし!命中!」

ルーデルは敵の貯蔵庫を狙っていく。

「さて、まだまだ、やるぞ!」

ルーデルは爆弾が有る限り、爆撃して、無くなれば基地に戻るを繰り返していった。


「ショウ兄、戦闘開始ですよ!」

カールはショウに戦闘の開始を伝える。

「始まったか、ミサイル発射!敵を討つ!」

ショウは砲撃を開始しようとするが、

「ショウいいの?これは戦争よ、貴方の命令で多くの人が死ぬのよ。」

ミキはショウの心が心配だった。

・・・カールとハンスから殺気が漏れる。

「ミキ、俺は大丈夫。

今までヨシノブさんにもサリナさんにも世話になっているんだ、此処で戦わないと男が廃る!」

「そう、ショウが大丈夫ならいいの。

だからカールくん、ハンスくん、撃鉄は起こさなくていいからね。」


「・・・やだな、俺達がそんなことすると?」

「うん、わかってるよ。

私も裏切るつもりは無いから、ただ確認したかったの。

でも、もう大丈夫だから。

ミサイル発射!敵を撃て!」

ミキの命令でミサイルSM-6が発射された。


「ミキ?」

「私も戦うわ、ショウだけに罪を負わしたりしないから。」

「わかった、一緒に戦おう。」

こうしてまやからの砲撃も開始される。


既に火の海と化している戦場は更に燃え上がるのだった。


「え、えーと、俺の開戦の合図は・・・」

「おとうさん、何をボーッとしてるの、ここは危ないのよ、司令部に入るのよ。」

俺は立場のないままシモに連れられ司令部に入るのだった。

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