第136話 竜と呑む

「これはいい酒だ!」

フェオンは酒を喜んで飲んでいる。

「喜んでいただいて何よりです、」

「うむ、実に味わい深い、これが異世界の酒か。」

「はい、私の故郷の酒です。」

「いいのぅ~くぅ~この旨味にこのコク、たまらん。」

フェオンを一気に盃を空ける。

俺はフェオンの盃に注ぐ、

「ヨシノブ、お前も飲め。」

「では、いただきます。」

俺も一気にいく。


「おっ、いける口だな、ほら。」

フェオンは俺の盃に注いでくる。

「ありがとうございます。」


そして、宴は続き・・・

俺とフェオンはだいぶ打ち解けていた。

ちなみにルイスは時間が遅くなり、眠りに行き、ルクスは酔い潰れて床で寝ていた。


「フェオン、他の竜や、四獣はどこにいるんだ?」

「知らん、他の奴らは適当に過ごしているだろう、だが四獣の奴等は魔族の領域にいる筈だ。」

「魔族の領域にですか?」

「うむ、竜は人を守護しておるが、四獣は魔族を守護しておるからのぅ、もし、向かうなら気を付けるのだぞ。」


「敵対する恐れもあるということですか?」

「あり得るなぁ~まあ、戦闘狂がいるのは竜も同じだがな。」

「竜とも闘わねばならないのですか?」

「火竜クラテルの奴はたぶんなぁ~

もし、やるなら殺す気でやるのだぞ。」

「殺す気、ですか?

それは殺してもいいとの事ですか?」

「よい、どうせ我等は時が経てば復活する。

倒しても宝珠に魔力は充填できるからのぅ。」

「そうなんですね・・・」

「まあ、我等を殺すのは難しいと思うがな。」

「なら勇者が来ても問題無かったのでは?」

「勇者はめんどくさいのじゃ、あやつらは死ぬことがない上に聖剣に刺されると我等は力吸われてしまうからのぅ。」

「力を吸われる?」


「うむ、勇者が力をつけるには我等の加護を貰い強くなる方法と、我等を倒して力を得る方法の二つがあるのじゃ。

加護を貰いし者はその際、鎧、兜、盾、靴を各竜が授ける。

我等を倒した者は我等の力を剣に吸い込み、聖剣の力を増していく。

まあ、バランスがいいか、攻撃特化かの違いかの?」


「どちらがいいとかあるのですか?」


「間違いなく加護を得る方法じゃ、耐久力の無い者など、簡単に死ぬであろう。」


「それなら加護を得るにはどうすれば?」

「簡単な話だ、それぞれに認めさせればよい。我等は気に入った者に力を授けるでな。

そして、竜に認められた後、四獣を倒して聖剣に力をつけて魔王に挑む、これが最適じゃ。」

「なるほど・・・って、それは人の俺が知って良かったのですか?」


「いかんのだが、まあ、お主なら構わんじゃろ、トート様の加護があるようだからのぅ、勇者より格上じゃな。」

「精霊様にも言われましたが、トート様の加護とはどんな効果が?」

「まず、トート様と話す権利を得る。

これは我等にも無理な事じゃ、

そして、トート様より様々な恩恵を受けるといわれておるのぅ。」

「勇者には加護がつかないのですか?」

「だいたいはつかん、代わりに圧倒的な力と知恵を授かる。

これにより、厳しい戦場を生き残る事ができる。」

「圧倒的な力と知恵ですか?」

俺はツバサを思い出すがそんな感じはしなかった。

俺はその事をフェオンに伝えた。


「おかしいのぅ、勇者を相手に人が闘える筈がないのだが・・・」

「ですが、倒せましたよ。」

「うむ、それがおかしいのだ・・・何か変だのぅ。」

フェオンとの話で謎が残るが、俺にも酔いが回ってきて、その日はお開きとなるのだった・・・

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