第80話 勇者召喚と受付

時間は少し戻り、勇者と聖女召喚の時、


トートが席を外している時にツバサとユカリは受付にきていた。


「ここはなんだ?マイさんは何処に?」

「ねぇ?何ここ?」

混乱している二人に見習いのルールが気付く。

「あートート様、またミスをしたんですね、この前あれだけ怒られていたのに仕方ない人ですね。

そこの二人、こちらに来てください。」

ツバサとユカリは呼ばれるままに受付にくる。


「えーと、勇者召喚ですね。

わかりました!」


「あの?なにが?」

ツバサは恐る恐る聞く、

「君は勇者として異世界に呼ばれています。」

「勇者ですか?」

「はい、そうでーす。

えーと、世界を救うために頑張ってくださーい。」

「いや、それじゃわからないよ、もっと詳しく・・・」

「うるさいですね、はい、登録と調整終わり♪、さあ向かった向かった。」

「うわぁぁぁぁ!」

ツバサはそのまま光につつまれに異世界に送られる。


ルールは勇者として聖剣を持てるようにした後、

戦えるように好戦的な性格に変更したつもりだった。

ただ、操作を間違い、好戦的にはなったが理性の数値が下がっていることに気付いていない。


「さて、あなたは聖女ですか?

うーん、これってどうやるんでしたっけ?」

ルールは聖女の調整方法を知らなかった。

「あの?」

ユカリは不安になるが・・・


「よし、これでいいか。」

ルールは何となくの操作で調整を終わらせる。

植物を育てる力を与え、どんな傷を癒す力を与えたが・・・

植物が育つが土の力を使いきる力、傷を癒すかわりに寿命を減らす力となっていた。

「あの、何がいいのですか?」


「はいはい、さっさと行った行った♪」

ルールはユカリも異世界に送り込んだ。


二人を送ったあと、

「あれ、ルールそこに座って何をしてるの?」

トートが帰ってくる。

「ふふん♪トート様は私に感謝すべきですよ。」

「はい?何の事?」

「いいんでーす、私は黙っておきますからね。」

「だから、何を?」

トートはルールの言葉に首をかしげる。


「実はですね・・・」

ルールが話そうとすると、

「こらルール、どこ行った!休憩時間は終わっているぞ!」

トートの同僚のマーマがやってくる。

「マーマ様!これはその・・・」

「言い訳はいいから、此方に来い!」

「はい!今行きます!」

トートに伝える前にルールはマーマの元に行く事となる。


こうして歪んだ召喚が行われたのだった。

そして、トートはその事実を知らなかった。


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