第78話 異世界騒動

日本では異世界騒ぎがおさまらなかった、

公開された画像、行方不明の少年少女、

みんなが画像を検証していた。


そんな中、マイの瞳に写っていたいずもを発見した者がいた。

この事から自衛隊の仕業かと疑う者が多数でており、広報に苦情まで来る事態となっていた。



「何が何だかわからん。だが、答えぬ訳にもいくまい、いずもの出航先を全て確認せよ。」

海上幕僚長山本は頭を抱える、全く謂れのない事だった。

どれだけ調べても写真のような場所に寄港したことすらない。


「この少年少女の親に連絡をこうなったら事情を聞くしか無いだろう。」

山本はそれぞれの親を別々に呼び出す。

そして、わかったことは異世界に行っているという話をほとんどの親は信じているようであった。


山本は政府を通じて調査を依頼する、彼等の思想、宗教、狙いなど、怪しい所は無いか調べたが、全員が普通の人だった。


そして、話の中にあった電話のある日に牧野モミジを呼び出す。

彼女が一番理性的に話していたからである。


「モミジさん、今日電話があるのですね?」

「ええ、向こうの事情が良ければになりますが、」


モミジを通した会議室には

陸上幕僚長、寺内

海上幕僚長、山本

いずも艦長、伊藤

航空幕僚長、南雲


政府から

官房長官、星野

が集まり事の審議を見定めるつもりだった。


「しかし、異世界とは本当にあるのかね?」

星野は半信半疑だった、いや、全員か?

談笑の中にも疑いの声が多かった。


1時間程立った時、電話が鳴る。

テレビ電話の画像はスクリーンに写し出されるようになっている。


『お母さん、久し振り・・・って何事?』

電話をかけてきたカエデは沢山の男の人に驚く。


「カエデ、こちらは自衛隊と政府の方なの、ヨシノブさんに代わって貰えるかしら?」

『わ、わかった、ヨシノブさ~ん、ちょっと電話に出てください~』


ヨシノブの名前が出たので各自の手元にヨシノブの写真が配られる。

「彼は死んでいるのだろ?別人ではないのかね?」

資料を見ていた星野は疑問を口にする。

「それが資料に書かれてある通り、彼の妹が確認済みのようでして、同一人物と考えられます。」

伊藤が星野に指摘されると、自分より若い伊藤に説明されたのが不満なのか、不機嫌そうに

「あっそっ」

資料を放り投げた。


『すいません、電話代わりました。前田ヨシノブといいます。』

「遅い!君は私を待たしていいと思っているのか!」

星野はいきなりヨシノブを叱り出す。

先程の伊藤の指摘で機嫌が悪くなったせいか?

二十代の若いヨシノブに八つ当たりしているようだった。


『えーと、何で怒っているかはわかりませんが、御約束も無いのに待たせたと言われても困りますね。』

「なんだと!貴様は私が誰かわからないのか!」

『うーん、初対面ですよね?普通、初対面の人には名乗りませんか?』


「なんだと!自分の無学を棚に上げて、私に責任があると言うつもりか!」

『はぁ、もういいですよ、それで話はそれだけですか?』

「なんだと!まだ、終わってないわ!これだから若いもんは!」

星野はブチブチと説教を始めた。

すると・・・

プチっ・・・

ツーツー


電話が切れたのだった・・・

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