第37話 いずも
空いてる桟橋を歩き、船を出せるスペースを見つける、
「ここらでいいかな?ここ少し借りますよ。」
「ヨシノブ殿、いくらでも使ってくれて構いませんよ。」
俺は大和を出そうかと考えたが、快適に過ごすなら最新鋭艦の方がいい気がしてきた。
だから、俺は護衛艦いずもを出す。
「また、違う船・・・」
ルイスは驚いている。
「さあ、艦内にどうぞ」
俺の案内に中に入るがルクスとルイスは驚くばかりであった。
サリナには知識が流れ込んでいるみたいで驚きは少なかった。
そして、冷房が効いている事にルクスは驚く、
「この涼しさは・・・」
「いいでしょ?屋敷を借りてもこの涼しさは得れないかなと思いまして。
どうでしょう、艦内で滞在しても宜しいでしょうか?」
「悔しいところもありますが、わかりました。ただ、屋敷も用意しておきますので、いつでもお越しください。」
「それはありがとうございます。停泊しているとはいえ、海上ばかりでは疲れるかも知れませんから。護衛の兵士の方も泊まれるようにして貰えますか?」
「もちろんです、滞在中はお好きに使っていただいても構いません。屋敷には執事とメイドを待機させておきますから何なりとお申し付けください。」
それから暫くルクスと話し、帰る前に艦内にあった、日本酒を手土産として渡した。
ルクスが帰ったあと、ルイスが問い詰めてきた。
「ヨシノブさん、この船は何なのでしょうか?」
「この船の方が最新艦なんだ、単純に暮らすだけならこっちの方がいいかなと思って、それに折角だから、町の人の診察もしようかと思ってね。
この船なら医務室も充実しているから診察出来るし。」
「町の人の診察も行うのですか?」
「折角だしね。ルイスや兵士のみんなは上陸してもいいし、この船で暮らして貰ってもどちらでもいいよ、屋敷も用意してくれるみたいだし。」
「私もこの船にいます。でも、兵士の方々は交代で上陸許可を出す事にしますね。
彼等の任務はヨシノブさんの護衛なのですから、全員自由というわけにはいきません。」
「そう?いや、そうだね、護衛はお願いするよ。」
そして、ルイスにVIP用の公室を俺は艦長室、サリナには幹部室に入ってもらった。
そして、兵士の多くが船で過ごすことを選ぶ。
どうやら船で出てくる食事の質が決めてのようだった。
船の食堂はバイキング形式となっており、好きな物を取るのだが、誰も補充しないのに勝手に出来上がっていく不思議仕様だ、その上、毎日献立が変わるから、みんな楽しみにしている。特に7日に一度のカレーは大人気であった。
そして、倉庫、冷蔵庫に酒が缶ビール、日本酒、ウイスキー、ブランデー等様々な物が入ってあった。
いや、何でこんなに種類があるんだ?
疑問に思っていると一つの手紙を見つける。
『ヨシノブさんへ、
倉庫の中身に日本で売っている物を色々入れておきました。
故郷の味を楽しんでください。
トート。』
どうやらトートさんのサービスで追加してくれているようだ。
各銘柄も多数あったし、これは晩酌が楽しみだ・・・
これも取っても無くならない為、配布してもいいかと思ったが、飲みすぎる物が出るとの事で寝る前に缶ビール1本支給し、
他は酒は勤務態度次第で休み前に支給する事にした。
そして、菓子類も様々な物が入ってある。
市販の菓子からコンビニスイーツ、老舗の菓子まで色々だ
これはサリナやルイスに好評だった為、二人にデザートとして提供している。
艦内は少々狭いがその食事の美味さの為に降りて暮らす者はおらず、職務を遂行し、少しでも多く御褒美(酒)を手に入れるよう頑張るのであった。
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