第35話 主砲の被害

「ヨシノブさん、あのような攻撃があるなら前もって教えてください!」

ルイスは少し怒っているようだった。

実は侍女さんからこっそり聞いたのだが、轟音に驚いてお漏らしを・・・


俺が生暖かい目を向けていることに気付き、ルイスはクッションで叩いてくる。

「聞いたのですね!知ってしまったのですね!」

「いやいや、仕方ないよ、ごめんね。いきなり音を立てて。」

「もうもう!!」

叩いてくる、クッションは止まらない。


「ルイス様、仕方ないですよ、いきなりあんな音を出すヨシノブさんが悪いんです。」

サリナはルイスの味方のようだ。


「そうですよね!仕方ないですよね・・・その割にはサリナさんは落ち着いてませんか?」

「私は知ってましたし・・・」

「ちょっと!どういうこと?以前にも見たの?」


「いえ、見たのは初めてですけど、私とヨシノブさんの間ですから。」

「どういうことですの?教えてください!」

ルイスはサリナを揺すって聞こうとする。


「お漏らししない大人になったら教えてあげますね。」

「サリナさん!」

サリナもクッションの餌食になる。


「ルイスさん、落ち着いて、これでも食べて機嫌を治して。」

俺はアイスとラムネを出してくる。

「これは?」

「俺の地元のお菓子かな?」

「ヨシノブさんの地元のお菓子ですか?いただきますね。」

ルイスとサリナも食べる、

「なんですかこれは、冷たくて甘いです!」

「こちらはシュワシュワしてて美味しいです。」

二人とも感動しているようだった。

「二人ともゆっくり味わってね、ちょっと色々回って来るよ。」


俺は侍女の人達にも差し入れにアイスを持っていく、

「美味しいです!こんなの貰ってもいいんですか!」

「いいよ、溶ける前に食べてね。」


侍女の次は士官達だ、彼らは甘いものより酒だろうと思い、日本酒を差し入れる、

「先程はいきなりすみません、これはお詫びついでに俺の地元の酒です。

どうぞ、お飲みください。」

「これは気がきくな、いただこう。」

士官達はグイッといく、

「おお、これはきついが甘味もあり、うまい!」

「お前ばかり飲むな!こちらにも回せ!」

士官達は一升瓶を取り合う。

俺はそっともう1本置いてその場を後にした。


次に行くのは一般兵だ、

俺は一般兵を甲板に呼び出す、そして、何名かに冷蔵庫にあるビールを運ばした。

「今日は迷惑をかけたね、これは俺からの気持ちだ、一杯やってくれ。」

「ヨシノブさん、話がわかるね、じゃあ、ヨシノブさんに・・・カンパイ!!」

「うめぇ!!」

「キンキンに冷えたビールがうめぇ!!」

最初に持ってきたビールは直ぐに無くなりそうだった。


「誰か追加を運ぶのを手伝ってくれ。」

20名程が直ぐに集まる。

「つまり二十樽はだせと?」

「違いますぜ、一人二樽持ちますから、四十樽です。」

「いい覚悟だ!お前ら落としたり、残したりするんじゃねぇぞ!」

「おお!!話がわかる!おかわりはあるんですか!」

「飲みきって、言えるなら言ってみろ!」

「ゴチになりますぜ!」

俺としては兵士達のノリが気に入り、気がつけば一緒に飲んでいた。


翌朝、甲板で寝付いてしまい、起きれなかったのは言うまでもなかった。

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