第25話 王都ディートラスト
俺は輸送ヘリを呼び出して、王都ディートラストに向かい飛んでいる。
「凄いです、こんな物もあるとは・・・」
ディーンは驚きが止まらない。
そして、ヨシノブはいったいどれ程の物を隠しているのか気になってくる。
もしかしたら、ルイスが無理矢理婚約しようとしたのはある意味正解なのかも知れないと考え出す。
四時間程の空の旅のあと・・・
「もうつきますよ。町の近くに降りますので。」
そういうとヨシノブは町が見える位置に着陸した。
ディーン達が降りると高機動車を呼び出す。
「これで王都に向かいましょう、乗ってください。」
ディーン達が乗り込むと車は走り出す。
「馬もないのに走るとは・・・」
ただただ、驚くばかりのディーンに対して、ルイスはヨシノブに聞いてみる。
「ヨシノブさんは他にどんな物を呼び出せるのですか?」
少女の他愛のない言葉に
「いろいろ呼び出せるかな?まだ呼んだ事はないけど船も呼べるしね。」
「船もあるんですか?今度乗せてください♪」
「いいよ、ただ乗り心地の保証はしないよ。」
二人の会話にディーンは固まる。
船もあるのか?
今までの流れからしても普通の船ではない事は間違いないであろう。
「・・・ヨシノブさん、私も乗せて貰ってもいいかな?」
「ディーンさんも乗りますか?良いですよ。」
軽く引き受ける、ヨシノブにディーンは取り込む事を考え出した。
ディーンがいる為に城の中まで、止められる事なく、車は進む。
見慣れぬ物がきたせいか、ディーンの父である王、カームがやって来ていた。
「父上このような場所まで出てきているとは。」
「お父様、ただいま帰りました。」
「おお、ディーン、ルイス早かったな、季節外れの嵐で足止めされていると聞いていたのだが?
それにこれはいったい?」
「お父様、私達は空を飛んで帰って来ましたの。」
「ルイス?空を飛ぶとはどういう事だ?」
「ヨシノブさん、乗せて貰っても良いですか?」
「今かい?それなら小さめのにするか。」
俺は汎用ヘリを呼び出す。
「これは!」
「さあ、お父様、乗ってください。」
ルイスに言われるまま、カームはヘリに乗り込む。
「では、飛びますよ。周りの人は離れてくださいね。」
ヘリが空を飛ぶとカームは目を輝かせる。
「おお、飛んでおる。あれが我が町、ディートラストか!
おお!素晴らしい!!」
カームは目を輝かせ、窓に張り付いている。
あまりの喜びに俺は王都の周りを大きく一周して、元の中庭に着陸する。
すると其処には兵士が集まって来ていた。
「陛下を返すのだ!!」
兵士は口々に言うが、
「止めよ、この者には何の罪もない。
それより楽しかったぞ。礼を言う。」
カームは兵士を止め、俺に礼を言ってくる。
「いえ、ルイスさんの頼みでもありましたし、兵士の皆さんに伝えるのが後になり申し訳ありません。」
「なに、気にすることはない、あのような体験をさせて貰ったのだ。」
カームは未だに何処か浮かれている雰囲気があった。
「また、別の物が・・・」
そんな中、ディーンだけが固まっていた。
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