第3話 呼び止められて
山の中を歩くと道に出ることが出来たの。
そして、俺は気付く、呼び出せる物の中にバイクがあることを。
俺はすぐさまバイクを呼び出し、町を目指して走る。
道行く人には変な目で見られているが取り敢えず気にせず走り抜ける。
「おーい!待ってくれ!頼む、止まってくれ!」
俺は一人の男に呼び止められ、バイクを止める。
一応、拳銃を呼び出し、何時でも撃てるようにはしていた。
「何か用ですか?」
俺は呼び止めた人に声をかけた。
「頼む、俺をこの先の町まで連れていってくれないか?」
「何故俺が連れて行く必要がある?」
男は瓶を見せる。
「この薬を町に住む娘に急いで届けないといけないのだが、馬が倒れて進めないんだ、頼む、連れて行ってくれ!報酬は出来る限りの事はする。」
事情を聞き・・・
「後ろに乗って俺に掴まれ!薬を落とすなよ!」
俺は男を連れていく事にする。
「うわぁぁぁぁ!!」
男は速度に怯えていたが、
「静かにしろ舌を噛むぞ、娘を助けるためだろ!我慢しろ。」
俺の言葉に口をふさぎ必死に耐えていた。
町の門に着くと門番に止められる。
「何者だ!怪しい奴め、抵抗するなよ。」
槍を構えながら俺に近付いてくるが、
「はあはあ、私だ、急ぎ屋敷に戻る必要がある。其処を退いてくれ。」
男が言うと門番は姿勢をただし、道を開けた。
「失礼しました!どうぞお通りください。」
「貴方はいったい?」
「後で説明しますから、どうか屋敷へ!」
俺は案内の元、屋敷に着く。
其処は町の中央の一番大きな家であった。
「戻ったぞ!サリナは無事か?」
「旦那さま、まだ大丈夫でございますが、咳が止まらぬようで・・・」
執事服の男と話し始めていた。
「旦那さま、其方の方は?」
「私の客人だ、丁重にもてなせ。
あー君、報酬は少し待ってくれ、娘に薬を届けてくる。」
「ヨシノブです。お待ちしてますので、娘さんの所に早く。」
「すまない!」
男が去ったあと、執事に俺は客間に通され、歓待を受ける。
その間に執事から話を聞いていた。
俺が拾った男はこの土地の領主リザーク・モス子爵(35歳)、
そして、娘サリナ(15歳)が病にかかり、王都まで効くと噂されている、薬を取りに行っていた。
子爵自身が向かったのはリザークの愛馬が一番足が早く、他の馬では着いて行けなかった為に、リザークが単身馬を走らせたそうだ。
俺が執事から話を聞いていたら、リザークが暗い顔をして出てきた。
「お嬢様は!」
執事はあわてて聞いているが、リザークの表情から良くはないのだろう。
「ヨシノブさん、ありがとうございました。此方が報酬にございます。」
リザークは袋を渡してきた。
それを受け取り、
「娘さんはよろしくないのですか?」
「・・・はい、どうやら薬が効かなかったようで。咳が止まらないのです。」
俺はふと気になる事があった、
どうやらこの世界に来てから、いや、この変なスキルが手に入ったからか医療の知識があるようだ。
「娘さんの症状を聞いてもよろしいですか?
もしかしたら、私が持っている薬で効くものがあるかも知れません。」
「なんと、いや、まあ、ダメで元々だな。
娘は熱が出ており、咳が止まらず、痰に血が混じる事があるのです。
これは不治の病と呼ばれる、肺の病気で、今回、私が取りに行ったのは新薬が出来たと聞いたので買いに行ったのですが・・・」
俺は話を聞いて結核の可能性を考えていた。
そして、呼び出せる物の中に医療用トラックがあることに気付く。
「思いあたる病気があります、詳しい診察を行いたいのですが?」
「治せるのですか!」
リザークは食いついてくる。
俺の肩を揺らして、問い詰めて来るが。
「ま、まだわかりません、ただ自分が知る病気なら治せる可能性があります。」
「わかった、すぐに見て貰えないか?」
「庭をお借りしても?検診用の道具を広げたいのですが。」
「かまわん!さあ、早く!」
俺は医療用トラックを呼び出し、医療所を展開する。
「此方に娘さんを連れてきてください。診察しますので。」
急に現れたのは施設にリザークは固まっていた。
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