第10話

ギルドマスターside


「では失礼いたします。」

……

「転移魔法か、ふむ、」

一人になった部屋で、彼はそうつぶやいた。

「魔王様に報告する方がいいか、だが、こっちではどの様な体制をとるべきか…」

彼は人間で、魔王と人間は敵対している。

じゃあ、何故彼の口から魔王と言う単語が出て来るのか、それは彼が子どもの頃、魔王に助けてもらった事があるゆえに、恩を感じていたからだった。

また、彼がここまで強くなれたのは、魔族に修業をつけてもらっていたからだ。

そもそも、敵対しているが、それは人間側が仕掛けたことであり、魔族はそれを守っているだけだ。また、魔物は魔族が生み出していると言われているが、それも根拠のないデマであり、生態系も全く違う。

……

「魔王様、ご報告があります。」

彼は、魔道具を使い、魔王と通信していた。

彼は、魔族に信用されている数少ない人間の一人だ。

「転移魔法陣のあるダンジョンが発見されました。」

「ほぅ、分かった。調べておく。」

こうして、魔王の調査が開始していく。

……

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