Lyric「わたしのなかのわたし」
雨 杜和(あめ とわ)
友へ
トタン屋根をたたく雨音が聞こえてくる……
雨は次第に激しさをまして、飾り窓をつたい
パソコンを打つ手に、寄り添い
それから、
ちょうど、あなたのように
あなたは、何を悩んでいるの?
あなたに空っぽの心を満たすものはあるの?
あなたは不条理な世界に生きる敗残兵であり
停滞とともに生き、悩み、苦しみ
そして、人のわずかばかりの優しさに涙ぐむ
茫洋とした日々のなかで
息をすることで命を削り
少しの慈しみにも飢え、そして、ただ、孤独に存在する
あなたは、何を悩んでいるの?
あなたに空っぽの心を満たすものはあるの?
雨の音は……
わたしを憂いの先へと追いやる
苦しみは消えることを拒み
心の
助けることができないのです……
わたしには
だから、ただ、祈るように唱えている
あなたは、何を悩んでいるの?
あなたに空っぽの心を満たすものはあるの?
今日の、この
せめて微笑みだけでも浮かべることができるならば
醜悪な世界で生きるあなたへ
その苦しみを正面から受け止める
わたしの中の私
わが古き友よ
****************
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます