第2話 予備



 第三王女である私は一応、成人するまでは大切に扱われていた。


 上の姉達、ユフィやマカが不慮の事故で死んだり、病気になってしまった時のため、代わりが聞くようにと。


 そんな理由で。


 でもそれは、しょせん予備でしかないという事。


 現実では、何の事故も起きず、健康に育った姉達がいるから、私は不要になったのだ。


 そんな理由があったから、私は生贄に選ばれてしまったのだろう。


 私の国は、竜の加護をうけて繁栄している。


 しかしその繁栄には犠牲あってのこそのもの。


 毎年、竜に生贄を捧げる事で、国を富ませていたのだ。


 その生贄は、高貴な血であるほど良いらしい。


 だから、第三王女である私が選ばれてしまったのだ。


 予備でもいいから、もう少し生きていたかった。


 でも非情なもので、生贄を選ぶ者達は私を指名してしまった。その決定は覆られない。


 ちょうど、他国との貿易で経済的なダメージを与えらた直後だったからと、そんな理由もあったのだろう。


 繁栄し続ける国を望んだ者達によって、私の命運は決まってしまった。


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