仮の面はどう足掻いても。
月乃宮 夜見
下位戦闘員の日常。
『魔法少女達に何故勝てないのか』。 私の中にはずっと、その疑問が頭の隅にあった。
×
私はとある組織に所属する、識別番号5-Gk52だ。
私の所属する組織の構成員は、戸籍データから食事の内容、与えられた仕事などが全て管理されている。
……なんて、何処かのフレッシュな迷宮のような組織構成はしていない。 戸籍データの保管は身元確認のために必要であり、食事はちゃんと選べる。 食事処は利用したことないけれど。
諸事情にて、名前はそう他人には告げてはいけない規則になっている為、相手から識別番号及びあだ名で呼ばれ、自身も相手をそう呼ぶようになっている。
識別番号以外にあだ名が認められているのは、何処かの実験で『名前を呼ばずに番号だけで呼ばれ続けると、たったの数日で人格が変わってしまう』という実験データが(多少は)配慮されているからだ。(大分端折っている)
ここは刑務所ではないが、閉鎖的な空間、上下の力関係、決まった服装など、例の実験と類似した点が多い為、一応「配慮した」らしい。
私の所属する組織は、簡潔にいうと『魔法少女と敵対する悪の組織』だ。 組織の掲げている理念がなんだったかは忘れてしまったが、確実に私達戦闘員達は『魔法少女』達と敵対し戦っている為、まごう事なき『魔法少女と敵対する悪の組織』だ。
私の所属する組織の――……いい加減に『私の所属する組織』と称するのが面倒になってきたので、隠す必要も無さそうだと判断した為、名実ともにここで明記しておこう。
私の所属する組織の名は――
現在存在する魔法少女と敵対する組織の中で、最も有名でいて、最も活動期間の長い組織だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます