ISP~情報セキュリティポリス~【推敲中】

赤蜻蛉

File.00 ”messenger”

西暦22XX年。

20世紀末に始まったIT革命は加速し続け、社会は「完全情報化社会」と呼ばれる段階に入っていた。


郵便制度は非効率さを理由に廃止。紙媒体の新聞や広告は過去の遺物となり、すべてがデジタル化されて約1世紀。国のあらゆる中枢機能がAIで管理・運営され、国民の情報は体内のマイクロチップで管理されるようになった現在、「情報」は何よりも価値のあるものとなっていた。


日本はこれまで、かろうじて欧米との情報戦争に食らいついてきた。

しかし今や、敵は諸外国だけではない。

情報の価値が高まるにつれて、ハッキングやウイルス、不正アクセスといったサイバー犯罪も増加し続けた。セキュリティが強化されては攻略され、新たな対策ソフトが開発されては攻略され……いたちごっこの状態だったのである。

情報ビジネスは、裏社会の主要な産業となり、より精度の高い情報管理が社会全体の課題となっていた。


そんな中、デジタル社会の限界を感じた人々によって、近年再び紙媒体アナログでの情報管理が見直されていた。

政府はまず、極秘情報の伝達、要人に関するデータのやりとりを紙文書に切り替え、その文書を管理・伝達する役割を担う人材の育成を行った。


そうして今から13年前に組織されたのが、政府直属の機関、ISP(情報セキュリティポリス)――通称messenger《メッセンジャー》。彼らは文書化された情報を、あらゆる脅威から死守するための高い身体能力と専門知識を備え、武装を許されている。|




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