能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました

御峰。

一章

第0話 プロローグですか?

 ――――「アレク! 貴様は追放だ! 能力『ゴミ箱』ってなんだ……この恥さらしが!!」



 僕が十歳の時、お父様から言われた言葉だった。




 十歳になる年、全ての人が神様から授かる『ギフト能力』。


 貴族ともなると、戦士系能力や生産系能力が大事とされている。


 僕は名門ハイリンス子爵家に生まれ育った。



 あの日まで――――十歳までは大事に育てられた。


 ハイリンス家は代々魔法使い系統のギフトを授かっていた。


 ハイリンス家の長男であった僕には『賢者』のギフトが期待されていた。


 子供の頃から、遊ぶ暇もなく、ずっと魔法の勉強――――。


 それも全て魔法使いのギフトを授かるためと思い、頑張った。


 そして、僕の運命の十歳になった年の『ギフトの日』がやってきた。


 この日、全ての十歳の子供に『ギフト』が与えられる。



 ハイリンス家では、真っ先に僕の能力が『鑑定』された。


 その結果――――。



「能力――――え? ご、ご、ご」


「「「ご?」」」


 屋敷の全員が息を呑んだ。


 一番緊張していたのは僕だけど……。




「『ゴミ箱』――――でした」




 ……


 …………


 ………………


「「「はぁあああ!?!?!?」」」



 名前からして、使えない能力だね……。


 うん。


 僕の人生、終了のお知らせ~な感じだ……。


 その日のうちに、僕は追放された。



 でも逆に良かった。


 正直言って、毎日毎日お父様に言われるがまま、勉強と勉強と勉強と――――。



 これで僕は自由になったんだ!


 自由過ぎて何をしたらいいのか分からないけれど、それでも自由を得た僕はこれから好きに生きて行くだけだ!






 これは、『ゴミ』スキルを与えられた僕が、ゴミ捨て町から成り上がったり上がらなかったりする物語だ――――。

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