第4話

ファミレスでの食事を終え、外に出る。

誰かと外で遊ぶのは久しぶりだ。

最近は妹の世話で忙しくてあまり休日は遊べなかった。

美莉亜さんには感謝してもしきれない。

「ミシュランとかでしか外食したことないけどファミレスっていうのはいいわね。すごく美味しいわ」

東崎は満足気な顔をしていた。

「そりゃあ良かった」

「響也様?」

聞き覚えのある声がして振り向くとそこには美莉亜さんと桜紗、紗枝がいた。

「美莉亜さん、なんでここに?」

「それはですね、、、」

美莉亜さんの話によると俺が外に出て、しばらくすると桜紗と紗枝が「お兄ちゃんの彼女がどんな人かみたい」とか言い出し最初はダメと言ってくれていたがあまりにもしつこいから来たらしい。

そしてなぜ場所がわかったのかと言うと八都寧がLIMEで教えていたらしい。

「戸神くん、その人達は?」

「あー、えっとな双子の姉妹は赤いリボンをしてる方が桜紗で青いリボンをしてる方が紗枝。で、付き添いしてもらってる人が母の知り合いで俺がいない時に妹たちの面倒を見てくれている美莉亜さん」

「はじめまして、私は東崎・リリア・ハーズベルドと申し上げます。戸神くんとは同じ学園の友人で仲良くさせていただいております」

東崎がアニメとかで見るお嬢様がするような挨拶をした。

「こちらこそ、よろしくお願いします」

「折角だしみんなでゲーセンに行かない?」

「さすがに美莉亜さんに迷惑かかるっての」

「兄さん、ゲーセン行ってみたい」

「私は大丈夫ですよ、響也様」

「東崎は?」

「私も興味あるわ」

近くのゲーセンに急遽行くこととなり向かう。

道中、妹二人に東崎との関係をしつこく聞かれた。

ゲーセンに着くと二人は東崎と美莉亜さんを引っ張り仲良く遊び始めた。

「どう?響兄」

「お前なぁ、その呼び方は実家にいる時だけにしろって言ってるだろ?学園のやつがいたらどうするんだよ」

「えー、いいじゃん。義理とはいえ兄妹なんだし」

八都寧はうちの母が他界した後父親が再婚した相手の連れ子ではあり、自分は暮らしが一変し生活しにくいと思ってその家から出てきた。

二人の妹はかってに着いてきたため、暮らしている。

「そんなこと明かしたら少なくともクラスのやつは変に話しかけてくるからやなんだよ。実際、中学の時そうだったろ?」

「相変わらず優しいなぁ、響兄は」

「は、別にお前のためじゃねぇし」

「あれ〜?響兄、もしかしてツンデレ?」

「誰がツンデレだっ!!」

八都寧の額にデコピンを食らわせると痛いのか額を抑えながら呻く。

「いたぁっ!こんなに可愛い妹に暴力とか罪悪感ないのっ!?」

「罪悪感はないな。あと自分で可愛いとか言うな」

「兄さん、八都姉、プリクラ撮ろ?」

紗枝が戻ってきて、六人でプリクラを撮りまた紗枝たちは遊びに行った。

夕方になり、先に用事があると美莉亜さんが帰りそれに合わせて解散することになった。

「今日はありがとう。戸神くん、新島さん」

と東崎も帰っていき、既に寝てしまった桜紗を俺が紗枝を八都寧が背負い家へと着く。

「楽しかったな。あんなにはしゃいだのは久しぶりだ」

「そうだね、響兄」

家の中に入り、桜紗と紗枝を部屋で寝かしリビングのソファーで八都寧と少し休む。

「こうして過ごすのも久しぶりだ」

「ねぇ、響兄」

八都寧が俺の肩に頭を乗せ、目をつぶる。

「ん?どうした?」

「響兄は嫌かもしれないけど私もお母さんも響兄のこと本当の家族だと思ってるよ。確かにあの人は叔母さんとお母さんを見捨てたクズだけどそれに対して響兄が罪悪感を抱く必要は無いから家に戻ってきて。お願い」

肩越しでも分かるくらい八都寧は泣いていた。

俺は自分のことばかりで八都寧や静音さんのことを考えていなかった。

自分の不甲斐なさが許せなくなる。

「ごめん。けどまだ俺はあいつとケリをつけなきゃならない。だから帰れない」

「なら約束して。あの人とのケリをつけたら必ず家に帰ってくるって」

「・・・、分かった。約束する」

指切りげんまんをして、悲しい顔をした八都寧は家から出ていった。

八都寧が帰ったあと母の仏壇の元へ行き、今日あったこと八都寧との約束を語った。

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