翼のない天使
みずいろ
第1話
願書を出してからこの場所に来るのは2度目。
本来なら、見学、願書提出、試験。と、段階を踏むのが普通だと思う。けど私は違っていた。
どうしてか、それはここしか選択肢がなかったからだった。
私は元々頭の出来が悪かった。
けど、それをどうにかしようとも思わなかった。
なので、当然高校を選ぶことなんでできるわけがない。
そして、案の定中学の担任にここしか選択肢はないと言われてしまい、ここを見学することなく、試験を受けることになったのだった。
願書を提出すれば必然的に試験を受けることになる訳で。
私はそうやって自分意思を持つことなく今日を迎えてしまったので、通常のプロセスを踏んでいなかった。
そして、今日私は試験を受けるために学校に足を運んでいた。
学校は、バスで1時間くらいの場所にある。
結構な田舎で、何もない場所だった。下車してからしばらく歩いているが、コンビニひとつ見ていない。
ふと、狭い道路を挟んだ私のいる反対側の道に視線を向けると、セーラー服姿の女の子が1人歩いているのが視界に入った。
彼女を見た第一印象は普通だな。だった。
特別華やかな容姿をしているわけでもなかったし。
けど、どうしてか、私は魅入られたかのように彼女から目が離せなかった。
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