第3話

 僕のこれまでの人生は相当なモノだったそうだ。夏向から教えてもらった自分のこれまでは、血を吐きそうになるくらい胸が痛くなる。

高校入学するまでの僕は、気に入らない男子達を従わせて奴隷のように扱ういじめの主犯格だった。クラスメイトも先生も恐れて止めれず一方的にいじめていた。高校へ入学するといじめていたのが一転し、先輩達からいじめられるようになり登校をしなくなった。そんな中、クラス委員の夏向が毎日課題と手紙を家まで届けて来る過程で次第に心を打ち解け合い更生しようと決意したそうだ。

決意したものの登校を恐れて中々踏み出せずにいた僕を夏向が手を差し伸べ一緒に登校をしだした。その事が先輩達に知り渡り

「お前ら、付き合ってんのか?」

「お前の彼女可愛いよな、やらせてくれよ笑」

「いいねそれ笑笑」

先輩達から夏向の事を言われた瞬間僕は無意識に先輩達を殺していた。多分夏向の事を言われたのが怒りに変わり更生したことすら忘れてしまったのだろう。ふと意識が戻った瞬間僕は頭が痛くなり我を忘れて叫び散らかしていた。そこへ夏向が来て抱きしめて

「大丈夫だから」

その一言で僕は救われた。落ち着けた。彼女が全てだということを決めた。理解した。


『 僕は夏向が好きなんだ』


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