第3話 邪なモノ



 だったらと。


 次は崖から落とそうかとしたら、かろやかに飛翔して上昇し、手元に戻ってくる。


 極めつけにはへったくそな字で「入口 立ち入り禁止」と書かれた塀の当たりを超えて(なんか向きも変。悪戯で反対向きにされてる)、危険な魔の森へ捨ててきた事もあった。


 あかちゃんが、確かに獣に群がられている所を見たはずなのに、やっぱり無事に帰ってきていた。


 呪われた人形かなんかかと思った。


 おとぎ話で、そういうのある。


 戻ってこられたら、持ち主が死ぬ系のやつ。


 私は、もはやそれを家族の一員とは思えなくなった。


 だから、偶然通りかかった旅の霊能力者に何とかたのみこんで、赤ちゃんをみてもらおう事にした。


 するとその赤ちゃんはなんと、何か邪なモノの生まれ変わりだったらしい。


 大義名分発見。


 私はさっそく家族にその事実を教えた。


 けれど、両親は「あらあらそうなの」「それがどうかしのか」みたいな反応。

 

 本気にされていないようだった。


 そんな家族の横で、家の中を自由に浮遊する赤ちゃん。


 赤ちゃんだけじゃない。うちの家族、なんかおかしい。


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