混乱

「疲れたぁぁぁぁ…」

自室のベッドに倒れこむ。きっと、今俺の口から魂が出ていると思う。それくらい今日は濃い一日だった。


あの後、火花散らす倉敷と戸田に『どっちをえらぶの!?』と言われたが『二人のことまだちゃんと知らないし……友達からじゃ、駄目でしょうか…』と言ってまぁ、うん納得してもらった。してくれたと思いたい。

(にしてもまさか一日で、女子二人と連絡先交換とか……現実か?)

自分の頬をつねる。うん、痛い。現実だ。

なんてことしていたら、スマホに一件の通知が来た。

通知には"YUI"と出ていた。YUIとは、戸田のことだ。戸田唯(とだ ゆい)、倉敷と同じクラスらしい。

『明日放課後、あいてる?もしよかったらアタシのお気に入りのカフェにいかない?』

明日は……っていうか自分で言うと悲しくなってくるが、毎日暇だ。

この機会に彼女のことを知れたら、と思い俺は

『空いてるぞ。行こう』

と返した次の瞬間には戸田からの返信が来た。

『(≧▽≦)』

まさかの顔文字。ならばこちらも顔文字で返しておこう。


それからしばらく戸田と連絡を取った俺は、寝ることにした。

って、寝られるわけがない。

あの倉敷に告られ、その告白を止めるように現れた戸田にも告白まがいの発言をされ、正直理解しきれていない。

そもそも二人とも本気なのか?俺が知らないだけで実は、倉敷も戸田もいたずらっ子で、二人によるイタズラかもしれない。

(あー訳が分からなくなってきた……)

イタズラでもちょっと幸せだからいいや、と俺はあきらめて眠ることにしたのだった。

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