人生の変化は唐突に

俺の名は、宮村若葉(みやむら わかば)、高校二年。

毎日教室の隅でひっそりと生活している陰キャオタクだ。


このまま何も変わらない毎日を過ごしたい反面、なにか変化が起きないかと思っていたりする。



ある日の朝、いつも通り学校に登校しげた箱から靴を取り出そうとしたとき、靴の上に可愛らしい花柄の白い紙が一枚。

それを手に取り、中を見るととても丁寧な字で


──突然のお手紙、失礼いたします。お伝えしたいことがあるので、本日放課後屋上へ来てください。お待ちしております。──


と書かれていた。

「こ……これって、まさか…」

ラブレター!?俺宛か?隣の奴と間違えてたりしてないか?……いや、間違いなく俺宛だ。"宮村若葉様へ"としっかり書かれている。

送り主はいったい誰だ?俺とかかわりある女子なんていないはず…

(相手が全く見当つかない…イタズラか……?いかないほうが…いや、でももし本物だったら、書いてくれた子に悪い。)

屋上のドアからチラ見して、大丈夫そうだったら姿を現す作戦で行こう。

そう心の中で決め、俺は自分の教室へと向かった。



その後、送り主が気になりつついつも通りの学校生活を送り、約束の放課後まであと少し。

(ホームルームが終わったら、屋上へ向かおう…)

二年の教室は、二階。屋上まで少しだけ時間がかかるが、相手を確認するために少し遅めに歩いてわざと遅れて行こう。

そう考えてるうちにホームルームが終わった。

友人たちに別れの挨拶をしつつ、俺は今朝の手紙を取り出し屋上へと向かった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る